都 内貿ユニットロードふ頭 基本計画調査と気候変動対策検討

東京
 東京都港湾局は内貿ユニットロードふ頭X6とX7バース(岸壁)の新設で、後背地の基本計画調査をセントラルコンサルタント(中央区)に委託した。整備が必要な野積み場や上屋といった建築物の規模を検討する他、廃棄物地盤の対策や排水計画を2026年6月30日の納期で検討してもらう。また、気候変動に伴い将来的に海水面が上昇した場合の岸壁への影響を考える業務の委託先をパシフィックコンサルタンツ(千代田区)に決めた。履行期限は26年3月19日。岸壁の新設については別途、26年1月に公示する希望制指名競争入札で基本設計(業種=土木設計)の委託先を決め、今回委託した業務の成果も参照して、26年11月までにまとめてもらう予定だ。  国内の港を行き来する内貿貨物の増加などに対応するため、中央防波堤内側埋立地(江東区海の森3丁目地内・地先)に新たな埠頭を設ける。東京港第9次改訂港湾計画(9次計画、23年12月)に掲げる「既存埠頭の再編整備」の一環だ。  既存の鋼矢板護岸(控え直杭式、控え鋼矢板式)の前面に幅50㍍の護岸を築造。そのさらに前面に幅30㍍の耐震強化岸壁を築造して、水深9㍍、延長500㍍のX6~7バースを整備する。幅120㍍の後背地も配置する。  今回委託した基本計画調査業務では、後背地に整備する野積み場や上屋、荷役連絡所、作業員休憩所、貨物受け入れ所などの必要規模を検討する。既設の内貿ユニットロードふ頭の利用者にヒアリングして、将来の貨物需要を把握してそれに応じた規模を考える。電気や水道、通信などのインフラの規模も整理する。  また、整備区域内に廃棄物地盤があるため、ヤード路体と廃棄物地盤との境界に設ける遮水層などの廃棄物対策を検討する。また、既設の▽ポンプ井2カ所▽内径600㍉、延長400㍍の集導水管(HP)▽内径150㍉、延長400㍍の圧送管(VP)―の浸出水処理施設について、構造性と維持管理性を踏まえた移設の可能性を考える。  加えて排水区域を確認した上で、ヤードの勾配を踏まえた排水勾配を検討し、排水施設の配置案を作成する。雨水は海への排水を想定している。  別途、パシフィックコンサルタンツに委託した業務では2100年に気温が2度上昇するというシナリオを踏まえ、X6とX7バースの供用期間で、施設にかかる外力がどの程度になるかを考える。将来の気候変動を踏まえ設計段階でその適応策を検討する必要があるためだ。