千代田区 番町小・幼で整備計画を検討

東京

現在の番町小学校

 千代田区は、築後50年以上が経過した番町小学校・幼稚園の整備計画を検討する。2024年度までに実施した基礎調査を踏まえ、25~26年度に地元や学校・幼稚園関係者らと意見を交換わし、これらを参考に大規模改修と建て替え、いずれかの方向性を見いだす考えだ。  同施設は小学校舎・幼稚園舎・講堂で構成。小学校舎は鉄筋コンクリート造地下1階地上4階建て延べ5725平方㍍で1972年の完成。幼稚園舎は鉄筋コンクリート造2階建て延べ638平方㍍で72年の完成。講堂は鉄筋コンクリート造3階建て延べ1524平方㍍で61年に完成した。  いずれの建物もバリアフリー工事と耐震補強工事を済ませている(幼稚園舎は耐震診断の結果問題なし)。2024年度には、増加する児童数に対応するため、普通教室への一部用途変更工事を実施した。  老朽化した建物の機能更新に加え、STEM教育=後記参照=スペースや交流・多目的スペースを確保することで、良好な教育環境の確保を目指す。引き続き防災拠点としての役割も担う。  工事に際しての課題は仮設校舎の確保。現在の施設は小学校舎と幼稚園舎・講堂の間に校庭があり、敷地内に仮設校舎を設置すれば、校庭機能を他に求めることになる。そのため、仮設機能を敷地外に用意する方法も考えられる。先行して実施されたお茶の水小・幼稚園整備では、旧九段中学校を仮設として利用して建て替えを行った。  関係者からの意見も参考に、区は基本構想をまとめる方針。さらに基本計画を策定し、事業の具体化を図る。  所在地は六番町8で、敷地面積は7005平方㍍。 ※一口メモ ・STEM教育―STEMはScience(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、Mathematics(数学)の四つの英単語の頭文字を組み合わせた教育用語。各分野は密接に関わり合うため、STEM教育はおのおのの学問を一元的に学ぶのではなく、関連付けて学ぶシステムを指す。