相鉄 26年度中にムービル営業終了、即解体へ
神奈川
建て替える「相鉄ムービル」。1988年に完成した
相鉄グループは、横浜駅西口大改造構想の初弾工事として相鉄ムービル(相鉄第2南幸ビル)の建て替えに着手する。2026年度中にビルの営業を終了。速やかに解体工事を始める考え。同ビルの建て替えについては「ムービル街区」の1期工事と位置付けており、周辺でさらなる開発を見込んでいる。25~27年度を期間とする中期経営計画の中で明らかにした。
相鉄ムービルは1988年に完成し、現在は映画館を中心に飲食店やサービス店舗などが入り、隣接するライブハウスなども含め西口のエンターテインメント拠点の一つとなっている。
建物の規模は鉄骨鉄筋コンクリート造6階建て延べ1万3571平方㍍。幸川に架かる歩道橋「幸橋」で対岸の五番街エリアと接続する。
所在地は横浜市西区南幸2ノ1ノ22の敷地3754平方㍍。用途地域は商業地域で建ぺい率80%、容積率500%、高さ31㍍まで。周辺には「横浜ビブレ」「ビックカメラ横浜西口店」といった商業施設や飲食店などが集積する。
相鉄ムービルの再整備の完了後も、2期工事として周辺の保有地の開発などを通じて「ムービル街区」の整備を継続する方針。
2025~27年度に1970億円を投資
中期経営計画では グループ全事業の投資額として1970億円を計上。横浜駅西口の整備をはじめ、鉄道関連の設備更新、沿線の不動産開発、オフィスビルなどの物件取得、ホテルの出店といった事業を進める。
重点戦略の一つとして「開発スピリット」の復活を掲げる。前中計期間(2022~24年度)に横浜駅きた西口鶴屋町地区再開発事業や泉ゆめが丘土地区画整理事業が完了。10年代から続けてきた沿線開発6大プロジェクトが一段落したことから、新たな開発を積極的に進める方針だ。
横浜駅西口では、1952年に開発を始めてから70年以上がたち、安全性や機能性の面で課題が浮かび上がっていることから、「大改造」としてグループの保有地を中心に官民連携で再整備を進める。
「ムービル街区」の整備を皮切りに2040年代まで段階的に開発を実施。横浜高島屋・ジョイナスが入る駅ビルの改築、駅前広場の整備なども視野に関係機関と連携して取り組む考え。
将来的に導入する施設として▽国際的なシンポジウムやアフターパーティーが開催できるスペース▽ナイトライフも含め24時間楽しめるエンターテインメント拠点▽多様なイベントを開ける広場▽アーティストの展示施設▽横浜の街や港が一望できるサービスアパートメント―などを想定。
公共施設では、官民連携により歩行者空間の拡充や親水空間の創出といった取り組みを進める。