日本人技能者の給与 「増加」が「横ばい」上回る
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建設産業専門団体連合会(建専連、岩田正吾会長)の専門工事会社に対する2024年度の調査で、日本人技能者の給与が「増加」と回答した割合が49・7%を占め、初めて「横ばい」を上回った。社員数別に見ると、30人以上では「増加」、29人以下では「横ばい」が多かった。技能実習、特定技能の在留資格で働く技能者の給与は引き続き「増加」が「横ばい」を大きく上回った。
建専連傘下団体の会員企業を対象にアンケートを行った。技能者給与の増減については20年度から調査を開始。日本人技能者について「増加」と回答した割合は29・6%だった21年度以降、毎年増加していた。24年度には前年度比6・1ポイント増の49・7%となり、「横ばい」の47・0%を初めて上回った「減少」は3・3%。人手不足を背景として賃上げ圧力の強まりをうかがわせる結果となった。
主な業種別では、とび・土工と内装仕上げで「増加」の割合が「横ばい」より大きかったのに対し、大工、鉄筋、塗装は「横ばい」の方が多かった。
技能実習生の給与は「増加」が3ポイント増の66・3%となった。「横ばい」は32・6%、「減少」は1・0%。
特定技能外国人の給与は「増加」が0・3ポイント減の72・4%で、前回調査とほぼ変わらなかった。「横ばい」は27・3%、「減少」は0・4%。
外国人については企業規模、業種を問わずおおむね「増加」が「横ばい」を上回った。
技能者の立場ごとに給与月額の中央値を見ると、▽登録基幹技能者=40万3704円▽職長=36万4441円▽日本人技能者=30万6548円▽技能実習生=21万2662円▽外国人就労者=27万5750円―となった。
■若手は月給、ベテランは固定給の企業も
給与の支払い形態は「月給」(固定給)が63・9%で最も多く、次いで「日給月給」が多かった。社員数が多いほど月給制の割合が大きい傾向も見られた。
個別企業へのヒアリングでは、入社5年目までは月給制とし、その後は「月給制と日給月給制を技能者本人に選択してもらう」といった会社があった。若手は月給、ベテランは日給月給という会社もあった。日給月給制だが、悪天候の多かった現場とそうでない現場で給与に差が出てしまうため、月給制への移行を検討している会社もあった。