横浜市 送泥管更新へ設計着手 シールドで延長4㌔
神奈川
さや管の中に2路線の管渠を敷設する
横浜市下水道河川局は、鶴見区内で送泥管の更新に着手する。北部第一水再生センターと北部汚泥資源化センターをつなぐさや管をシールド工法で整備して、内部に口径400㍉の管渠を2条敷設する計画。基本設計を2025~26年度の2カ年でまとめる中で、詳細設計と工事の進め方についてECI方式を含めた新しい契約方式も視野に入れて検討する。36年度内の供用開始を目指しつつ、工程が前倒しできる手法があれば取り入れたい考え。全体事業費は100億円前後になる見通し。
横浜市では1989年に汚泥集約処理をスタート。下水の処理過程で生じた汚泥を、水再生センターから送泥管を通って市内南北2カ所の汚泥資源化処理センターに集約して処理している。
今回の更新対象となる北部第一水再生センター(鶴見区元宮2ノ6ノ1)と北部汚泥資源化センター(同区末広町1ノ6ノ1)間には現在、元宮・末広線(延長4920㍍、口径700㍉)と同支線(延長4000㍍、口径300㍉)の2ルートが通っている。
敷設後35年が経過して老朽化が進んでいるものの、地下数㍍の場所にダクタイル鋳鉄管が直で埋設されており、同じルートで敷設替えすることが難しい状況。機能確保のため、代替ルートに新たな管渠を整備して、完成後に切り替えることにした。
新たに整備する送泥管のルートは、北部第一水再生センターから末吉大通りの下を通り、鉄軌道や鶴見川、産業大通りなどと交差して北部汚泥資源化センターに至る延長4㌔を想定。両センターの敷地を使い、シールドの発進・到達立抗を設ける。
土被り30㍍程度の位置に、内径2600㍉のさや管を整備する計画。さや管の中に架台を設置して、口径400㍉の送泥管を2条敷設する。管種はダクタイル鋳鉄管を想定。
基本設計として「北部処理区元宮末広線送泥管再整備工事に伴う基本設計委託(R7―1)」を4月に協和コンサルタンツ(東京都渋谷区)へ委託した。2025~26年度の2カ年で成果を得る。
従来通りの契約方式であれば27~28年度に詳細設計を実施して、28~29年度にも着工する流れになる。民間企業のノウハウや技術で効率的かつ費用を抑えて施工できる手法があれば取り入れて、完成時期の前倒しを図る方針だ。