10年ぶりに肱川で水防総合演習開催
四国
県建協が大型土のう工を披露
「肱川を流域で守る思いを次世代へ」をキャッチフレーズに、大洲市若宮地先の肱川右岸河川敷(五郎大橋上流)で5月18日、「2025年度肱川総合水防演習」が行われた。
コロナ禍の影響もあって開催は10年ぶり。国土交通省四国地方整備局と愛媛県、大洲市、伊予市、西予市、砥部町、内子町が合同で主催。愛媛県建設業協会(浅田春雄会長)も関係機関の一つとして参加した。当日は中村時広知事の他、中野洋昌国土交通大臣も駆け付け、一連の演習プログラムを見守った。
台風の発生により河川が氾濫注意水域に達したことを想定して実施。河川やダムの情報が伝達された後、避難判断や氾濫危険に水位状況が悪化したことを受け、県建設業協会は、直径・高さがそれぞれ1・1㍍、重さ約1㌧の大型土のう工による越水対策と道路啓開に当たり、災害の拡大を防ぐ訓練を披露した=写真。
肱川総合水防演習には500人以上が参加。地域の小学生や高校生らも河川敷の会場を訪れ、高所作業車への乗車をはじめ機械の遠隔操作やロープワーク、土石流の3Dシアターなどを体験し、防災について学んだ。また、災害時に活躍する多くの車両も展示され、参加した住民が「自撮り」をする様子も見られた。
水防工法や災害対応の各訓練を見学した中野大臣は、「発災時のタイムラインなどに沿った実践的な演習であり、流域の関係者が一堂に介しての訓練は本番さながらの緊張感があり、非常に有意義だった」と感想を述べ、「子どもたちが水防活動に少しでも興味を持ち、地域での防災力の強化の一翼を担ってほしい」と期待を寄せた。