1週間のニュース(5月19日~23日配信記事)
中央
■5月19日(月)
▽改正下請法、建設業者の取引にも影響
5月16日に参院本会議で可決・成立した改正下請法・下請振興法は、建設工事の請負契約そのものは対象としないが、建設業者からメーカーへの建材製造委託や設計事務所への設計図書の作成委託といった取引は対象となり得る。価格協議の一方的な拒否や手形払の禁止を規定する改正法の2026年1月1日の施行に備え、適法な取引となるよう改めて精査することが重要になる。
▽自民党公認候補 見坂茂範氏「利益率高い建設産業に」
建設産業の職域代表として、今夏の参院選に出馬する見坂茂範氏(自民党公認候補、比例区)がインタビューに応じ、「若い世代に建設産業を選んでもらうため、この産業で今働く人たちの賃金アップを実現する」との考えを語った。企業が賃金アップの原資を確保できるよう、「建設業を利益率の高い産業にしなくてはならない」と述べ、現場の実態に合わせて現場管理費や一般管理費、標準歩掛を見直し、適正な予定価格を設定するべきだとした。
■5月20日(火)
▽褒章伝達式 中野国交相が受章者に謝意
国土交通省は5月20日、2025年春の褒章受章者に対する伝達式を省内で開いた。中野洋昌国土交通相が受章者に褒章を伝達した
▽日本で働く外国人労働者 円安で給与目減りも
近年の円安でドル建ての給与が目減りし、外国人材獲得の支障となることを懸念する声が上がっている。一方で、日本の建設業で働く外国人は2024年に17万人を超え、過去最多を更新した。総数ではベトナムが引き続き最も大きな割合を占めたが、伸び率ではベトナムやミャンマーの方が大きかった。相対的に賃金水準の低い新興国からの受け入れが、外国人材の受け入れ人数を底上げしている。
■5月21日(水)
▽建設業許可業者 事業承継認可 累計4000件超
2020年10月に施行された建設業法の事業承継認可を活用し、事業の譲渡・譲り受けを選択する許可業者が増えている。事業の譲渡・譲り受けを選択した許可業者が、建設業許可を空白期間なく引き継ぐことができるこの制度の認可件数は、3月末までの4年半で4000件を超えた。休廃業・解散する建設業は増加し続けており、事前認可制度を活用した事業承継が定着してきている。
▽育成就労の分野別運用方針の検討を開始
出入国在留管理庁と厚生労働省は、特定技能制度と育成就労制度を一体的に運用する分野別運用方針の策定に向け、検討に着手した。12月までの策定を目指す。育成就労外国人の受け入れ対象分野は17分野とし、建設分野では、現在の特定技能と同じ「土木」「建築」「ライフライン・設備」の3業務で受け入れる方針だ。
■5月22日(木)
▽大手建設会社 平均所定内賃金は50万円
厚生労働省は、2024年の「賃金事情等総合調査」の結果をまとめた。資本金5億円以上かつ労働者数1000人以上の企業を選定し、建設業では9社(1社当たりの常用労働者数4868人)の24年6月末日時点の賃金事業を調査した。基本給、職務関連手当、生活関連手当などで構成する平均所定内賃金は、50万5200円で、全産業で3番目に高かった。
▽続発する敷鉄板の盗難 金属価格の上昇が影響
工事現場から敷鉄板や鋼材が盗難される事件が相次いでいる。背景にあるのは、金属スクラップ価格の高騰だ。警察庁によると、2023年には敷鉄板の盗難1097件が見つかっている。金銭的な被害は工事保険で補償できても、工期の遅延をはじめ工事への影響は避けがたい。被害を未然に防ぐことが重要になる。
■5月23日(金)
▽自民党 農業農村整備に2.5兆円の別枠予算要望
自民党の食料安全保障強化本部、総合農林政策調査会、農林部会は5月23日、農業構造転換集中対策の実施に向け、緊急決議を採択した。2030年度までの5年間で、農業農村整備や共同利用施設の集約化などを確実に進めるため、約2・5兆円(うち国庫約1・3兆円)の予算を別枠で確保するよう求めた。
▽改正マンション関連法成立 建替決議の要件緩和
耐震性が不足するマンションの建て替え決議の要件を所有者の「5分の4以上」から「4分の3以上」の賛成へと緩和する、マンション関連の一括法が5月23日の参院本会議で可決、成立した。現在は、所有者全員の賛成が必要な敷地売却や1棟リノベーションなども「5分の4以上」の賛成で可能にし、耐震性不足などの要件を満たすと「4分の3以上」の賛成にさらに要件を緩和する。