発注見通し・入札結果 400万円以下は公表対象外

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 政府は5月27日、予定価格400万円以下の公共工事を発注見通しや入札結果の公表義務の対象外とする、入札契約適正化法の改正政令を閣議決定した。これまでは250万円以下を公表対象外としていたが、近年の急激な物価上昇を踏まえて基準を見直した。7月1日から施行する。  現行の入契法施行令では、予定価格が250万円を超える工事について、国土交通省をはじめとした国の機関や地方自治体に対し、発注見通しを毎年度、公表するよう規定している。また、予定価格が250万円超の工事について、入札などにより契約を締結した結果を公表する義務も課している。  今回決定した政令は、公表義務を課す基準額を引き上げるもの。近年の資機材・エネルギー価格の高騰により、従来は対象でなかった小規模工事も公表義務の対象となっており、公表の手間が増えていた。  既に4月から、国の調達に関わる予算・決算および会計令と、自治体に関わる地方自治法施行令の改正により、国や都道府県、政令市の公共工事で競争入札によらず契約できる「少額随意契約」の基準額は250万円から400万円に引き上げられていた。発注見通しや入札結果の公表義務もこれにならって引き上げることにした。  随意契約の可能な基準額は、国・都道府県・政令市が400万円、政令市以外の市町村については200万円と差をつけて規定している。一方、入契法施行令に規定する公表義務については、一律に400万円を基準額として運用する。  一連の見直しにより、発注関係事務を効率化し、受発注者双方の負担を軽減する。  入札の落札者や落札金額、発注見通しといった入契法に規定する公表事項を巡っては、24年にインターネットでの公開を原則化した。アナログな手段での公表に対し、デジタル化を求める声が国に寄せられたことを受けて、国交省と総務省が連名で通知を発出した。  公表義務を課されている項目の公表漏れがある自治体も少なくない。国交省は、今回の基準額引き上げにより公表義務を課す対象を絞り込むとともに、着実な情報公表を公共工事の発注者に促す。