外国人材のキャリア形成促進 育成就労開始へ検討会

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 国土交通省は、建設分野の外国人材の育成・確保に関する有識者検討会を立ち上げ、6月9日に初会合を開く。技能実習に代わる育成就労の2027年度の開始を見据え、特に外国人材のキャリア形成を後押しする仕組みづくりについて話し合う。11月まで、建設分野に関する育成就労の運用方針の在り方を議論する。  育成就労制度は、国際貢献を目的とした現行の技能実習と異なり、明確に特定技能の入り口と位置付けられる。このため、外国人材を受け入れる産業分野ごとに、特定技能・育成就労一体での運用方針を策定することが求められている。  検討会では、育成就労から特定技能へと在留資格を移行しつつ、外国人材が中長期的なキャリアを形成するための制度的な対応、処遇の確保、語学や地域での受け入れを含めた環境整備を議論する。  有識者としては、建設産業や技能者人材に詳しい蟹澤宏剛芝浦工業大学教授や惠羅さとみ法政大学准教授に加え、▽建設分野での女性活躍に取り組むゼムケンサービスの籠田淳子代表取締役▽外国人材の雇用相談を行っている杉田昌平弁護士▽受け入れ支援を行っているエコ・プロジェクト協同組合の澤村美喜副理事長▽外国人の地域共生に取り組むViVarsityの長尾晴香代表理事▽国際研修協力機構での実務経験のある万城目正雄東海大学教養学部教授―の7人が参加する。  建設業界からは、全国建設業協会の青柳剛労働委員長と全国中小建設業協会の朝倉泰成氏、建設産業専門団体連合会の岩田正吾会長、日本建設業連合会の原田知明労働委員が参加する。  オブザーバーとして、制度を所管する出入国在留管理庁と建設技能人材機構、国際建設技能振興機構も出席する。  分野別運用方針ではこの他、受け入れ可能な人数や、外国人労働者が従事できる業務範囲、待遇などの具体的な要件と、育成就労制度の転籍制限期間を示す。現行の技能実習制度では、外国人材の建設キャリアアップシステム(CCUS)活用を外国人受け入れの上乗せ要件として設定しており、こうした内容についても育成就労に引き継ぐ方向だ。  9月をめどに分野別運用方針の方向性を示し、11月に会議での意見をまとめる。12月に政府として方針を閣議決定する。