都 三園浄水場の急速攪拌池 耐震補強へ工法検討

東京
 東京都水道局は三園浄水場にある急速攪拌(かくはん)池の耐震補強工法を検討する。三栄コンサルタント(中央区)に委託した業務を通じ、稼働しながら施工できる工法を見極めて早期に対処したい考え。2026年6月3日の納期で成果を得て、後続の展開に生かす。  浄水施設の耐震補強に用いる工法は耐震壁の新設やコンクリートの増し打ちが主流。ただ、これらの工法による施工は施設を停止しなければならず、低下する処理能力を他の浄水施設で補うための調整が必須となっている。  現在、金町浄水場(葛飾区金町浄水場1ノ1)では配水池などの耐震補強に伴って処理能力が約52万立方㍍減少している。そのため、金町浄水場の工事終了後に他の浄水場の施設を耐震補強することとしていた。  一方、能登半島地震などを受けて、施設の耐震化は待ったなしの状況だ。そこで、稼働させながら施工可能な工法の検討に着手した。  対象となる三園浄水場(板橋区三園2ノ10ノ1)の急速攪拌池は幅10㍍、長さ26㍍、高さ12㍍。構造物の外側にバットレスやかまち梁を設けることで、施設を停止せずに補強できるかどうか見極める。施工可能と判断した場合は、金町浄水場の耐震補強の完了を待つことなく工事に着手する方針だ。  都の浄水施設の耐震化率は23年度末時点で14・5%。着水井から配水池まで全てを耐震化した割合としているため、未実施の施設が一つでも残っていれば耐震化率にカウントしない。  三園浄水場の耐震化はすでに着水井とろ過池、沈澱池が完了。未実施の急速攪拌池が完了すれば、浄水施設の耐震化率は5%程度上昇するという。