沼津河川国道事務所所長 藤浪武志(ふじなみ・たけし)氏
静岡
藤浪武志所長
「直轄事業のみならず、東部・伊豆地区の全ての市町と連携し、災害や事故の犠牲者を一人でも減らしたい」と決意を示す沼津河川国道事務所の藤浪武志所長。地域の安心安全のため首長と対話を重ねていく方針で、有事の際は柔軟に対応していく姿勢を前面に出すという藤浪所長に、着任に当たって話を聞いた。
(沼津支局=藤井泰誠)
―国土交通省を志したきっかけは。
「幼い頃はレスキュー隊に憧れを抱いていたが、阪神淡路大震災で建物が倒壊する様子をテレビで見たことがきっかけで、『インフラが壊れなければ人々を助けることができる』と考えるようになり、公共の立場からインフラ設備に貢献したいと志すようになった」
―初めての赴任となる東部・伊豆地区の印象は。
「『日本有数の観光地で魅力的な地域である反面、地震や洪水などさまざまな災害の可能性が考えられる地域』と認識している」
―これまでの経歴は。
「道路局や大臣官房など本省勤務が多かったが、港湾局や八ツ場ダム、新幹線の開通などさまざまな事業に携わった。鉄道・運輸機構に出向した際は、建設業界や自治体などさまざまな意見を聞き、北陸新幹線の開業や北海道新幹線の建設などに携わった。所長になるのは今回初めてだが、『本省や出向で培った知識や視点』を当地で生かしていきたい」
―業務を進める上で重視することは。
「沼津河川国道事務所では、ワークライフバランスを意識している。仕事のやりがいはまず休みから。現場の職員の視点を持てるよう日ごろから職員とのコミュニケーションを大切にしたい」
―事務所では道路・河川・砂防と幅広い事業を所掌している。
「狩野川が氾濫すれば道路も通れなくなるといったように、三つの事業が関連していることを意識していきたい。視野を広く持ち、東部・伊豆地域の強靱化に全力で取り組んでいく」
【略歴】北九州市小倉南区出身、九州大学大学院工学府建設システム工学専攻修了、2007年4月国土交通省採用。道路局企画課、大臣官房技術調査課、独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構建設企画部/経営企画部などを経て、25年4月1日付で現職。