千代田区 神保町地域まちづくりを検討
東京
千代田区は、神保町地域でのまちづくりを促進する。5月に第1回のまちづくり協議会を開催し、エリアの現況を確認した他、都の街区再編街づくり制度を活用した既存ビルのリノベーションなどによる再生まちづくり案を示した。今後数回の協議会を経て、11月以降に街並み再生地区・街並み再生方針を都に上申する予定だ。
検討地域は神田神保町1~3丁目、一ツ橋2丁目などで、靖国通りの南北に広がるエリア。古書店街をはじめ、楽器店・スポーツ用品店・各種学校・飲食店などが集積し、街の魅力や独特の雰囲気を形成。歴史的建物も点在し、小規模から大規模まで、異なる敷地規模が混在している。
一方で、特に中小規模の敷地で建物の老朽化が進行。長屋形式の連続した形態の建物も多く、改修・更新などの合意形成が難しい側面もある。駐車場付置義務などの制限によって、仮に建て替えた場合に1階店舗部分が減少することも懸念材料だ。他にも▽建て替えなどの時に代替店舗の確保が困難▽事業性向上のため大街区化が進むと、既存の中小規模の街並みが失われる可能性がある▽滞在できる場所やオープンスペースの不足▽来街者を受け入れるゲート性の不足、駅からまちへのバリアフリー動線の不足▽災害対策▽夜のにぎわいの不足―などの課題がある。
こうした背景から、将来像として古書店など神保町らしい店舗への継続的な支援や、既存建物のリノベーション、ファサードの再現などによる神保町らしい趣の維持・継承、建て替え・リノベーションへの支援による中小規模スケールの沿道景観の継承などを掲げた。
そこで、神保町らしい中小規模のスケールを維持しつつ更新を誘導するため、東京都の街区再編まちづくり制度の初期段階である「街並み再生地区」と、「駐車場地域ルール」の2手法の活用を提案している。
街区再編まちづくり制度は、低未利用・密集市街地などにおいて、敷地の細分化や道路基盤の不足といった課題を抱え、権利関係が複雑でまちづくりの合意形成が困難な状況を打開するため、街並み再生方針を早期に提示し、都市計画の提案制度を弾力的に運用する。例えば、地区内の一部の土地所有者らによる小単位の都市計画提案を可能としている。
他方、区は駐車場地域ルール策定に向けて、負担金による駐車台数の減免・隔地駐車場の整備などの検討も進めている。
想定スケジュールを見ると、協議会が11月ごろをめどに街並み再生方針素案をまとめ都市計画審議会に報告。その後、街並み再生地区などを都に上申する。都の指定を待ち、区は2026年度にも地区計画策定・変更に向けた都市計画手続きや、駐車場地域ルールの策定作業を進める。
