学生のホンネ~2025~③かなテクカレッジ西部(神奈川県立西部総合職業技術校)
神奈川
建築CADコースでは毎期20人が在籍している
近年では働き方が変わりつつあり、転職も珍しいことではなくなってきた。かなテクカレッジ西部には、手に職を付けようと幅広い年齢層の生徒が集い、切磋琢磨(せっさたくま)している。複数のコースがある同校の中でも、建設業界に魅力を感じ、建築技術分野の建築CADコースで学ぶ20~50代の生徒 3人(いずれも仮名)に話を聞いた。
建設業に興味を持ったきっかけは、「インターネット回線開通工事の許可を取得する際に建物の配管図を見る機会があり、面白そうな仕事だと感じた」と語るのは20代の佐藤さん。他にも「工務店の工場や現場見学の際に面白い分野だと思った」(40代、鈴木さん)、「店舗の改装の際に電気、設備の図面を見ることが多く、興味を持った」(50代、高橋さん)と前職で建設業に触れる機会があったことが契機だという声が多かった。
一方で、「建設業は生活に欠かせない分野だが、実際の業務を目にすることは少なく、知りたいという意欲がなければ触れられなかった。学生の頃に知る機会があれば良かった」(佐藤さん)と振り返る人も。建設業で作られる物は身近でも、仕事内容を知る場がなかったという。
建設業のイメージについては、高橋さんによると「実務経験を重視しており、勤務内容や職場の雰囲気などが周知されていないため、ハードルが高く感じる」といった印象を持っている。建設業で就活するに当たり、「地域密着型の企業も含め、見学や学校訪問など学生向けのイベントがあるとありがたい」と語ってくれた。生徒は企業に対し、できるだけ情報を開示してもらうことで不安を解消したいと求めている。
企業選びで重視する点は、「住んでいる場所から通える職場が良い。地域の工務店や設計事務所を主に探している」(高橋さん)と、地元建設業への就職を希望する生徒もいた。
また、「建設業の知識や現場の様子など、学ぶべきことが多い。実務経験を補えるような学習支援体制が整っている職場が良い」(佐藤さん)や「現在学んでいることと現場でどういうギャップがあるか先に知ることができるとうれしい」(鈴木さん)など、業務のサポート体制の充実を重視する姿勢が見られた。(相模支局=片山貴司)