不動協 マンション規制で千代田区と協議へ

東京
 不動産協会(吉田淳一理事長)は、千代田区が7月18日付けで発表した投機目的のマンション取引などに関する要請について、記者団の質問に答えた。吉田理事長ら協会側は「先日、同区から初回の説明を受けた。内容の合理性などについて確認をする必要があり、引き続き区に対し説明を求めていきたい」と語り、取り扱いを慎重に進める方針を示した。  発端は、千代田区が7月18日付けで「千代田区内の投機目的でのマンション取引等に関する要請について」公表した文書。「国外からの投機を目的としたマンション取引が考えられる」とし、「投機目的のマンション取引が増えることで、過度な住宅価格の上昇、ひいては賃貸住宅の賃料の高騰などに影響を及ぼし、区内に居住したい人が住めないことが想定される」「居住実態のない住戸が増えることで管理組合運営への支障など、住環境整備への悪影響も懸念される」と要請の目的を明示した。  具体的には▽今後許認可などを受ける、総合設計などの都市開発諸制度を活用する事業や市街地再開発事業で販売するマンションに関し、購入者が引き渡しを受けてから原則5年間は物件を転売できないよう特約を付す▽再開発等事業において販売するマンションは、同一建物で同一名義による複数物件の購入を禁止する―2点を求めている。  さらに、区は今後も必要に応じて対策を検討し、国や都に対し、物件を短期で転売した際の譲渡所得税の引き上げといった、投機目的での転売に対する抑制策を促すとしている。  7月25日に行われた不動産協会理事会後の記者懇談会には、吉田理事長と野村正史副理事長、安井清史事務局長が出席。区から説明を受けたものの、要請に至った経緯や具体的な発生事例の事実確認が十分ではなく、仮に転売抑制策の措置を取る場合の効果や市場に与える影響は熟慮が必要とした。  区の担当部署は、外国人によるマンション投機の具体的な事例は確認していないが、区民へのヒアリングで夜間に照明の点灯していない住戸が多く見受けられるという情報を得た他、デベロッパーから投機目的と見られる取引が存在することを聞き取ったことから要請に至った旨の回答を得た。    ◇ ◇ ◇  先の参議院議員選挙で争点となった外国人問題。果たして外国人による不動産投機はどの程度存在し、どのような影響があるのか。日本人による短期間の不動産転売はないのか。今回の出来事は、単なるいち自治体の話し、にとどまらない。将来の国内不動産市場の根幹を左右する重要な要素を幾つも内包している。まずは行政や市場関係者に、正確な判断を行うに足る必要最低限の事実確認と、エビデンスの公表を求めたい。