都 1Qのスライド適用33件 直近3年間で最多

東京
 東京都の知事部局が2025年度の第1四半期にスライド条項を適用した工事(財務局契約分、以下同じ)は33件で、過去2年度(23年度、24年度)の同期を上回って直近3年間で最多だった。いずれもインフレスライドで、業種ごとの適用件数は▽河川=8件▽電気=7件▽建築、給排水衛生=各6件▽一般土木=3件▽橋りょう、空調、発電設備=各1件―となっている。過去2年度は第2四半期以降に件数が増えていることから、25年度も同様の傾向で推移する可能性がある。建通新聞社が独自に集計・分析した。  25年度の第1四半期にスライド条項を適用した工事の内容を業種別に見ると、建築、電気、給排水衛生の3業種は都営住宅の整備に関わる案件が大半を占めた。河川は防潮堤や護岸の建設など、一般土木は調節池の築造などだった。  23・24年度のスライド条項適用工事は第1四半期が20件台で最も少なく、第2四半期と第3四半期がそれぞれ50件前後、第4四半期が70件台と時期を追うごとに増加。25年度は第1四半期が30件台と過去2年度の同期を上回っており、時期を追って増え続ければ累計件数が23年度の199件、24年度の208件を超えそうだ。  知事部局がスライド条項の請求を受け付けた工事は22年度が215件、23年度が263件。都内のある建設会社は、公共工事設計労務単価の改定時期を基準に「資材価格の状況」を見ながらスライド条項を請求しているという。また「都はしっかり適用してくれる」との声も聞かれた。  財務局は「今後も請求があれば適切に対応していく」としている。