南海トラフ臨時情報の指針改訂 施工計画書に安全確保措置

中央
 内閣府は、南海トラフ地震臨時情報が発表された場合に地方自治体・企業・住民が取るべき対応を示したガイドラインを改訂した。公共事業では、受注者の施工計画書と業務計画書に臨時情報発表時の対応を記載することを要請。臨時情報の「巨大地震警戒」が発表された場合、避難対象地域では、発注者から工事一時中止の通知があったものとし、工事を中断することも求めている。  南海トラフ地震臨時情報は、南海トラフ沿いで観測された異常な現象の調査中に発表される。マグニチュード8・0以上の地震が発生した場合に「巨大地震警戒」、マグニチュード7・0以上8・0未満の場合に「巨大地震注意」が発表される。昨年8月に初めて巨大地震注意が発表されたが、自治体や企業の対応に混乱が生じたため、ガイドラインを改訂して臨時情報発表時の対応を整理した。  個別分野の留意事項としては、国・自治体発注の公共事業での対応を追加した。この留意事項を参考として、公共事業の受注者に臨時情報発表時の対応を検討してもらう。  公共事業に関する留意事項としては、臨時情報が発表された場合を想定し、▽揺れの影響が大きい作業(斜面・高所作業など)や、津波の影響を受ける作業の抽出▽作業の一時中止や対策を講じた上での工事継続などの措置▽工事を継続する場合の安全対策や作業員の安全確保方策―を記載するよう求める。巨大地震警戒については、津波避難に関する内容(特別強化地域の場合)も盛り込んでもらう。  市町村が定める住民事前避難対象地域で施工する公共事業は、巨大地震警戒の発表を発注者からの一時中止の指示とみなす。その後は、巨大地震警戒の対応が終了するまで当該箇所での工事を中止する。  住民事前避難対象地域以外での工事については、揺れや津波の影響を受ける作業に限り、発注者から一時中止の指示があったものとして扱う。その他の作業は、作業の一時中止か継続を発注者が判断し、受注者に連絡する。  巨大地震注意が発表された場合は、揺れや津波の影響を受ける作業に対して一時中止か継続かを判断する。継続する際は、適切に作業員の安全を確保することを求める。