建設業界の未来を変えるAI 人手不足を解決し、8掛け社会を乗り越える

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 現場特化型AIアプリケーション「BizStack」を提供するMODE(米国、上田学CEO/Co―Founder)は8月6日、メディア向け勉強会を開催し、建設業界が抱える人手不足や高齢化といった課題に対し、AIがどのように貢献できるかを詳説した。  特に注目されたのは、2040年ごろに労働力人口が2割減少する社会「8掛け社会」の到来に対して、生成AIをはじめとするAI技術の導入がこうした課題を解決し、建設現場の仕事のあり方を変え、より安全で効率的な働き方を実現できる点だ。  上田CEOは「現場ではさまざまなデジタルシステムの乱立問題から、情報がバラバラであまり活用できていない課題がある」と指摘した上で、「当社は生成AIとIoTを組み合わせて作業現場の状況をリアルタイムで報告するチャット型アシスタント『BizStack Assistant』を提供する。あなたの現場を1番知っているAIアシスタントが、現場監督はチャット形式で必要な情報を瞬時に引き出せるようになる」と話す。  西松建設の事例が示すように、AIとセンサー、カメラを組み合わせることで、遠隔からでも広い現場を効率的に管理できるようになる。重機に搭載されたカメラとGPSから得られる映像や位置情報をAIが統合し、現場監督は事務所からチャットでAIに「建機はどこにいるか?」「建機の映像を見せて」と問い掛けるだけで、現場の状況をリアルタイムに把握できる。従来のように現場へ直接足を運ぶ必要が大幅に減少し、移動時間を30%削減。これにより、監督者が他の重要業務に割ける時間も確保され、現場管理全体の業務効率化を実現したという。  AIは、建設業界における人手不足という大きな課題を解決するだけでなく、「8掛け社会」を乗り越えるための切り札として期待されている。近い将来、AIは単なるツールではなく、人間の能力を拡張する強力なパートナーとして、建設現場に欠かせない存在となるだろう。