香川県 椛川ダムに小水力発電施設を新設

四国
 香川県は、脱炭素化に向けた取り組みの一つとして、椛川ダムに小水力発電施設を新設する。本年度は詳細設計を進め、施設の概要や工法などを詰める。事業は補助金を活用して進めているため、工事の発注時期は検討中だ。  県土木部は16カ所のダムを管理しているが、小水力発電施設の整備は椛川ダムが初めて。2022年度から1年ごとに、一定の高さと放流量のあるダムで小水力発電の導入可能性調査を実施した。対象は、椛川ダム、内場ダム、吉田ダム。  調査を通して、椛川ダムが最も採算性の見込める状況と判断し、詳細設計をまとめる。内場・吉田両ダムでの小水力発電施設設置については未定となっている。  詳細設計では、発電機の規格や発電量、施設の規模やダム下流の設置場所などを詰める。併せて、発電専用の放流口を設ける場所も検討する。  椛川ダムの型式は重力式コンクリートダム。堤高は88・5㍍、堤頂長は265・5㍍。総貯水量は約1056万立方㍍。所在地は高松市塩江町。  現在、「(ダムメンテナンス事業)椛川ダム 小水力発電施設詳細設計業務委託」の総合評価落札方式一般競争入札の手続きを進めており、9月4日に開札する。納期は26年3月24日。  香川県では、「香川県地域脱炭素ロードマップ」を策定するなど、カーボンニュートラルの実現に向けた施策を行っている。小水力発電施設で発電した電力は、主に椛川ダムの管理事務所で利用し、二酸化炭素の排出量削減を図る。