都教育庁 子供・若者施設、改築・改修で整備 主要諸室に約7350m2

東京

区部ユースプラザの現況

 東京都教育庁は区部ユース・プラザ(江東区)に代わる「(仮称)子供・若者体験活動施設」の整備を既存施設の改築と改修で対応することを検討している。主要諸室の総面積を約7350平方㍍と想定。今後、事業手法なども具体化して2025年度内に基本計画を策定する予定だ。  区部ユース・プラザは夢の島公園内の江東区夢の島3ノ2に立地。青少年を中心とした都民が交流、学習、研修など多様な活動を行う文化・スポーツの拠点で、面積2万7022平方㍍の敷地にスポーツ・文化学習棟と宿泊棟で総延べ床面積1万7415平方㍍の施設を設けている。  PFI手法で旧夢の島総合体育館(1976年完成)をスポーツ・文化学習棟に改修したり、新たに宿泊棟を整備したりして04年3月にオープン。大林組などによる特別目的会社が24年3月まで運営などを手掛けた。また、24年4月からの運営・維持管理にもPFI手法を採用し、大林ファシリティーズが29年3月まで担当することになっている。  スポーツ・文化学習棟の老朽化などを受けて「(仮称)子供・若者体験活動施設」への再整備を構想。事業内容や施設の規模と設備、事業手法などを具体化するため、今年1月に基本計画検討委員会(委員長=五十嵐誠東洋大学客員教授)を立ち上げていた。アドバイザリー業務を日本経済研究所(千代田区)が手掛けている。  教育庁は7月22日の検討委に、スポーツ・文化学習棟を改築するとともに、宿泊棟では老朽設備の更新や事業内容を踏まえた諸室改修を行うとの方向性を提示。また、倉庫などの付帯機能を除く主要諸室の想定規模として、▽宿泊エリア(宿泊室、和室)=約2000平方㍍▽文化系エリア(セミナーホール、多目的室、音楽演劇室、キッチンルーム)=約800平方㍍▽学習・交流スペース=約550平方㍍▽スポーツエリア(アリーナ、体育室、屋内プール、屋外広場)=約3600平方㍍▽共通エリア(キッズルーム、保健室、レストラン)=約400平方㍍―で総面積を約7350平方㍍と見込んだ。  ゾーニングはエントランスを大きく構えて各機能へ直接アクセスできるようにする他、文化系エリアと学習・交流スペースを隣接させて諸室の相互利用を可能にする。公園との一体感などにも配慮し、屋外スペースの配置を工夫するとした。  現地の用途地域は第1種住居地域で建ぺい率60%・容積率200%。海沿いの埋め立て地のため地盤が軟弱で、地下躯体や掘削する土壌から廃棄物が出てくる可能性があるとしている。  事業手法についてもPFIと直営の二つを挙げ、それぞれで体験活動事業に当たるコーディネーターを都が別に選ぶ方法と、民間(PFI事業者、指定管理者)に選定を任せるパターンを示した。これに対し、委員からは「しっかりとサポートする組織がいる」「きちんと創造的に協働していけるような仕組みを考えなければいけない」といった意見があった。