武蔵野市 公会堂改修 簡易型総合評価を採用
東京
基本設計段階で示した武蔵野公会堂の鳥瞰図
武蔵野市は、武蔵野公会堂改修工事の入札不調防止に向けたサウンディング型市場調査を実施した結果、建築工事に「簡易型総合評価方式」を採用する。建築・電気・機械・舞台設備に分離して2026年1月に公告する方針。概算工事費は25年6月時点で約31億5000万円と試算している。建築では共同企業体の入札参加も検討する。
市場調査では、ゼネコンやサブコン、地元建設会社などに声掛けし、建築工事について複数の企業から簡易型総合評価方式の採用を希望する声が寄せられた。
簡易型総合評価方式は、価格以外に会社の規模や実績などを審査する。工事手法の提案を求める通常の総合評価方式では、書類作成などの負担が大きいとの意見があった。具体的な審査内容は今後検討する。
事業スケジュールは、12月議会の補正予算で債務負担行為を設定して工事費を計上し、年明けに工事を公告、26年6月議会に工事請負契約案を上程する。開設は28年2月を予定している。市民活動推進課担当者は「当初は一般競争入札を想定していたが、簡易型総合評価方式に変更した。事業者選定に期間が必要なため、当初のスケジュールから期間を3カ月ほど延期した」と話す。
概算工事費は24年6月にまとめた基本設計段階から約5億5000万円増額。その理由として建築資材の高騰や労務単価の上昇(約3億9000万円)、防水および荷物用エレベーターの仕様変更、非常用発電機の騒音・振動への近隣配慮など(約1億6000万円)が挙げられている。
建設から60年が経過し、設備の老朽化が進んでいるため、電気や給排水衛生、空調など設備関係を中心に大規模改修を行う。屋上防水や外壁などの外装も改修する。バリアフリー対応に伴い、一般用のエレベーターを1基設置する。また、現在の平置き駐車場の敷地部分に鉄筋コンクリート造地下1階地上1階建ての会議室棟を増築する。
既存施設の規模は鉄筋コンクリート造地下1階地上5階建て延べ2494平方㍍。敷地面積は1954平方㍍。所在地は吉祥寺南町1ノ6ノ22。
基本・実施設計は小堀哲夫建築設計事務所(文京区)が担当している。