愛知県 環境審議会部会 環境影響条例 要件緩和を審議

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 愛知県環境局は、県環境審議会総合政策部会(第2回)を名古屋市内で8月8日開き、「愛知県環境影響評価条例の対象事業の規模に係る要件の見直し」について、県側が作成した「中間とりまとめ(案)」を審議した。今回の見直しでは、水素、アンモニア等の「環境負荷低減燃料(仮)」のみを使用する「工場等の新設または増設の事業」については、大気質への環境影響が低減されることを踏まえ、対象事業の規模に係る要件を引き上げる案などを提示。今後、審議内容を踏まえて必要な修正を行った上で、9月中旬からパブリックコメントを行う。その後、同審議会の答申を踏まえて、改正手続きを進める。改正時期などは未定とした。  同審議は、6月に県知事から愛知県の環境影響評価制度のあり方について、同審議会に諮問され、7月に開いた同審議会総合政策部会(第1回)で「対象事業の規模に係る要件の見直し」について審議を行い、今回の同部会第2回で、「中間とりまとめ(案)」を諮った。  要件の見直し案を見ると、同条例では、条例独自の対象事業の一つに、「製造業、ガスの製造・供給の事業等の工場または事業場の新設または増設の事業」を定めており、その要件の「燃料使用量等」を「1時間当たり11・25㌧以上等」としている。しかし、条例施行以降の状況として、カーボンニュートラルの実現に向けて、水素、アンモニア等の新たな燃料である「環境負荷低減燃料(仮)」の利活用が見込まれている中、現行の同要件が「燃料使用量等」で定めているため、「燃料種別のばい煙の発生量の違いが考慮されていない」点が課題となった。そこで、「環境負荷低減燃料(仮)」のみを使用する場合は、石油等と比較して、大気質の影響は低減されることから、基準の「1時間当たり11・25㌧」を上回る規模に引き上げ、緩和させる見直しを検討した。今回の案では、その基準を、ばい煙の排出による大気質への影響が懸念される火力発電所と同様程度とし、火力発電所の1時間当たりの燃料使用量(重油換算値)の19・9㌧を目安とし、「1時間当たり20㌧」を見直し案として示した。  なお、現行の対象事業の要件に含まれる「特定排出水量」については、「環境負荷低減燃料(仮)」を使用する場合でも、緩和しないものとした。  質疑では、見直し案の要件の数値や、語句の定義などの詳細な説明を求める意見があり、今後、県側が必要な修正を検討した上で、「中間とりまとめ(案)」をまとめ、9月中旬から10月中旬の予定でパブリックコメントを実施する。