高知県 中山間地域事前復興まちづくり計画策定指針検討会を開催

四国

中山間地域事前復興まちづくり計画策定指針検討会の様子

 高知県は、中山間地域が南海トラフ地震の発災後に速やかに復興するための指針について検討する「高知県中山間地域事前復興まちづくり計画策定指針検討会」の第1回を開催した=写真。全3回の検討会を経て、2025年度内に指針をまとめる方針を示した。  県は21年度に沿岸地域の市町村向けの指針を策定。19市町村で事前復興の取り組みを進めている。今回、能登半島地震の被災地で復興事業の遅れにより、1年間で人口が最大約10%減少した状況などを踏まえ指針の策定に取り組む。  会では、中山間地域における事前復興まちづくり計画の必要性を説明し、他県の復興まちづくりの事例などを紹介。委員からは、「中山間地域での災害は大規模になり、土地が使えなくなる場合も想定される。その中で商いの継続も考えなければならない」、「地域の現状はそれぞれ異なる。さまざまなパターンを想定して指針を策定することが必要」などの意見が挙がった。  指針の基本理念については、「命を守る」、「生活を再建する」、「なりわいを再生する」、「歴史・文化を継承する」、「地域の課題等の解決につなげる」の五つを柱に、沿岸地域の事前復興まちづくり計画策定の基本理念を踏まえて検討する。  また、構成案については、先行する沿岸地域の事例を参考に両地域の相違点を踏まえて中山間地域に必要な要素を加えて検討する他、中山間地域の地震による災害からの復興は、能登半島地震のように被災が部分的で建物が残された状況からの復興も念頭に置く必要性があることを示した。  同会は、有識者や自治体の首長などで構成。今後、中山間震災被災地での被災状況や復興の取り組み事例の収集・分析・評価などを経て第2回検討会を11月中旬に開催。26年2月上旬に予定する第3回検討会を経て市町村に示す指針を作成し公表する。