濱田市長に聞く、香南市のまちづくり
四国
濱田豪太市長
NHK連続テレビ小説『あんぱん』のモデルでやなせたかしさんの妻である暢さんの本籍地として話題の香南市。夜須防災コミュニティセンター整備など南海トラフ地震対策にも尽力している濱田豪太市長に今後のまちづくりについて聞いた。(聞き手は高知支局=市川壮大)
-今後のまちづくりをどう進めていくか。
「3月に高知東部自動車道南国安芸道路の高知龍馬空港ICから香南のいちIC間が開通し、NHK連続テレビ小説『あんぱん』や高知ものべがわエリア観光博『ものべすと』の影響もあり観光客が増えている。こうした状況を活かして、一度来て終わりのまちではなく、”もう一度来たい、住んでみたい“と思えるまちづくりを目指したい」
-夜須防災コミュニティセンター整備を進めているが、検討すべき課題は。
「夜須防災コミュニティセンターについては、津波浸水区域内にある夜須支所と夜須福祉センター、大峰の里の3つの施設を集約し高台に移転することで防災拠点として機能を強化する。地域住民からアクセス路の不安や思っていたより高さがあり避難に時間がかかるのではといった声も出ているので、今後アクセス路の確保や利便性について再検討し、対応していきたい」
-海岸沿いに地区を抱える香南市。南海トラフ地震などの防災対策は。
「4月に吉川海岸と赤岡海岸、岸本海岸については、堤防築造が国の直轄事業として認められた。堤防は津波を防ぐ壁ではなく命を守る時間を稼ぐためのものである。ただ堤防を整備するのではなく、避難体制の強化と同時に避難訓練など住民の意識を向上してもらうソフト面での対策も進める。また26年度からは事前復興計画策定に向けて取り組んでいく」
-公共施設マネジメントについて聞きたい。
「現在、公民館や集会所などのニーズ調査を行っている。施設の再編・統廃合に向け、公共施設マネジメントに基づき進めていきたい。また、解体するにも費用がかかるため、国の起債を活用し財源確保も図りたい」
-働き方改革の取り組みで見直す点はあるか。
「週休2日制モデル工事は3000万円以上の土木工事を対象に受注者希望型で行っている。施工時期の平準化は市単独発注工事の数が限られているため、できる範囲で少しずつ進めていく。南海トラフ地震や自然災害の発災後の道路啓開や修復には地域の建設業者の力が必要不可欠であるため、建設業者の方が働きやすく、若い技術者が定着できる環境づくりに向けて、今後も現場の声を反映しながら制度運用を見直していく」