東通グループ 桜木翔(さくらぎ・しょう)共同代表
東京
都市部を中心に不動産事業を展開する東通グループ。今年7月には高級賃貸マンションシリーズ「TOTSU PREMIUM」を発表した。同グループの共同代表で、東通建物(港区)代表取締役の桜木翔氏に、今後の事業戦略を聞いた。
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―主要セグメントについて伺う。
「不動産投資・保有事業で、都心を中心に220カ所の収益物件と用地に投資してきた。『TRUST VALUE』ブランドとして展開する不動産再生事業は、リノベーションなどの竣工予定を含め50物件の実績がある。事業エリアは都内、特に港・中央・千代田・渋谷・新宿・文京の6区に集中している」
―新たな事業戦略を6月に発表した。
「現在の運用保有投資額は1000億円弱。30年までに3000億円の達成を目指す」
「これまで、自己資本で購入できる範囲の物件を対象としてきた。今後、目標達成に向けて国内に限らず、アジア圏の機関投資家などの資金も活用する。資金運用に関するオファーは多く、4月に新会社『東通アセットマネジメント』を設立した。調達した資金の8割方を、東京6区の不動産事業などに充てる」方針だ。
―オーダーメイド型賃貸マンションを企画している。
「可動式の間仕切り壁を採用する予定で、入居後に室内のレイアウトを変更することができる。また、一部の壁をマグネット対応型とすることで、備え付けの棚や収納を好きな場所に取り付けたり、テレビなどを自由に配置することも可能だ」
―高級賃貸マンションシリーズ「TOTSU PREMIUM」の特徴は。
「大手デベロッパーの高級分譲物件を超える商品だと自負している。土地選定の際は、いわゆる〝一等地〟に限らず、その場所に歴史的な文化価値があるかどうかなども重視。さらに、著名な建築家とコラボすることで物件価値を一層高めていく。第1弾の『白金台二丁目』(延べ床面積約2600平方㍍、戸数8戸)は、隈研吾氏が設計を監修し、高級賃貸物件の実績が多いケン・コーポレーションも参画。1フロアに1~2住戸の上質な住戸計画とし、11月下旬の着工を目指す。大型の高級賃貸物件には、ファミリー層や定年前後の夫婦、海外からの移住組など幅広い需要がある。土地の選定には学区も重要な要素。第2弾以降も都内で計画を進めている」
―ホテル事業の拡大方針も打ち出した。
「稼働中の『LOF HOTEL』に続く2件目を港区芝浦で開発する。来春着工する予定で、客室数は50室程度を見込む。外国人客の利用をメインに、国内客の出張・レジャーにも対応。芝浦の歴史的背景をくみ取り、日本と西洋の〝対比〟をテーマに掲げる。構造に木と鉄を採用し、デザインにも両者を融合させる他、中央区内でも開発を見込んでいる」
―新機軸を次々と打ち出している。
「業界の後発であるわれわれは、常に新しいことにチャレンジする必要がある。他社と競合しないことも戦略の一つ。ハードルは高いが、日本の不動産マーケットがますます拡大・成熟していく今こそ、チャンスと考えている」
(聞き手は東京支局・佐藤有一)
