後世に引き継ぐことが一番大事 NEXCO西日本 喜久里真二四国支社長

四国
 6月26日付で西日本高速道路会社(NEXCO西日本)の四国支社長に就任した喜久里真二氏が建設専門紙のインタビューに応じ、「高速道路は世の中から必要とされている重要なインフラ。後世に引き継ぐことが一番大事」と抱負を述べた。そのためにも「南海トラフ地震に備えた橋梁耐震補強と暫定2車線区間の4車線化事業の1日も早い完成を目指す」と意欲を見せた。  喜久里支社長は着任後のあいさつ回りで、2018年7月の豪雨の際に高知自動車道立川橋が土砂で流出したが、4車線化されていたため、下り側の2車線を対面通行にすることで早期に復旧した話題が多く出されたことに触れ、4車線化事業の重要性を改めて感じたという。  南海トラフ地震の際に「命の道」となる坂出~高知間をはじめとする橋梁の耐震補強や、観音寺と阿波市場のスマートインターチェンジの整備、また着任後に徳島自動車道の暫定2車線区間で死亡事故が発生したことから、安全対策や交通安全に向けた啓発も進める。  ハード・ソフト対策と合わせて人手不足への対応も課題に挙げる。技術開発やDXへの取り組みを進め、生産性の向上に努める考えだ。  「四国支社は少数精鋭だが難しい問題にチャレンジしよう」と社員に呼び掛ける。意識するのは「基本の徹底」だ。過去にサービスエリア部門に所属した際、売り上げが伸び悩んでいる店舗を見ると、清掃や整理整頓が疎かになっていたところがあった。工事現場でも同じで「基本を押さえることが出発点」と説く。業務の複雑さに悩む際も「この仕事の本質は何か」を常に考え仕事する。  旧日本道路公団に採用され35年。料金改定や民営化、コロナ禍の節目でそれぞれ業務に携わった。料金改定の際には、利用者からの問い合わせを受ける部署と隣り合わせで、厳しい思いもしたが、「全てが財産」と振り返る。  豪華なオーディオ機器を自宅に置き、クラシックを鑑賞することが気分転換。今ではあまり見ることのないホーン型スピーカーを30年間愛用しているという。(報道部=岡林正士) 【略歴】1991年北海道大学卒業。同年日本道路公団採用。関西支社第二神明道路事務所長、西日本高速道路サービス・ホールディングス、本社事業開発部長を経て6月から四国支社長。長崎県出身。56歳。