高知県 第3回地震被害想定検討委員会を開催

四国

高知県 第3回地震被害想定検討委員会の様子

 高知県は、南海トラフ地震に対して県独自の被害想定の見直しを検討する「高知県地震被害想定検討委員会」の第3回を開いた=写真。検討スケジュールの見直しやL2地震動予測の検討結果などについて意見を交わした他、今回の会合でまとめる予定だった地震動や津波浸水の想定について、国土地理院の最新データを活用するため10月下旬ごろに公表することを確認した。  会では、検討スケジュールの見直しやL2地震動予測の検討結果、津波浸水予測の検討状況、L2地震による液状化や土砂災害の検討結果、被災シナリオ作成の考え方などを説明。L2地震の液状化については、前回の調査と比較して、特に高知市周辺で発生する可能性が高くなっている他、安芸市の低地部や四万十市の河川沿いの地域でも相対的に高くなっていることを示した。今後、L1地震動も対象にした液状化の可能性や沈下量の想定を実施し、建物などの想定被害に反映するとした。  L2地震(陸側ケース)の土砂災害については、斜面崩壊危険箇所の地震時危険度ランクは高くなり、特に急傾斜地崩壊危険箇所は約9割の箇所で地震時危険度ランクAと想定。山腹崩壊危険地区は7割が危険度ランクA、3割がBと想定された。今後、L1地震動を対象に土砂災害の想定を実施し、想定した結果を建物などの被害想定に反映することを示した。  同検討委員会は、地震防災分野等に精通した学識経験者を委員とし、2013年に作られた南海トラフ地震の高知県独自の被害想定を更新するために実施。委員からは「今後、L1地震を想定した調査結果も示してほしい」などの意見があった。  今後、10月ごろに開催する第4回検討委員会の後に、震度分布や津波浸水予測を公表。第5回、第6回検討委員会を経て、26年3月をめどに新たな被害想定を公表する見通しだ。