香川県 高松市と坂出市の市街地で道路混雑解消へカルテ作成

四国
 香川県は、「香川県幹線道路ネットワーク整備長期ビジョン」に基付き、高松市と坂出市の市街地を通る県道の混雑区間や主要渋滞箇所の課題を整理し、対策案や効果分析をカルテにまとめる。2026年度以降、カルテを基に優先順位を設定し事業化に向けた取り組みを進める。  香川県幹線道路ネットワーク整備長期ビジョンでは、「混雑区間や主要渋滞箇所」の項目など四つの交通課題を挙げた。この他、物流ネットワークの多重性・代替性における弱点、不完全なネットワーク箇所、線形不良箇所がある。本年度から各課題に対してアプローチし、課題の抽出や整理を実施中だ。  現在、カルテの作成などを行う「(幹線道路ネットワーク整備推進事業)高松市及び坂出市内渋滞対策検討業務委託」の制限付き一般競争入札の手続きを進めており、9月26日に開札する。納期は26年3月27日。  検討対象エリアは、高松市内の北側は沿岸部、南側は県道三木国分寺線周辺。坂出市内は北側がJR坂出駅や沿岸部、南側は国道11号付近。現時点では正確な範囲は決めておらず、業務内で受注者と協議して決定する。  業務では、民間プローブデータを用いて交通状況を整理する。同データは、走行する車の通信ネットワークを用いて位置や速度の情報を取得する手法で、車載のETC2・0を活用。  対象エリアの車の流れや混雑箇所を正確に把握し、課題に対して、バイパス整備や交差点改良、道路の拡幅や右折レーン設置など効果的な解決方法を検討する。  渋滞や混雑箇所への対応は、地元の声を基に出先事務所で行うケースも多い。同ビジョンの策定に伴い、出先での事業と並行して県内全域を対象に現況を調査する。香川県は各交通課題を中長期の視点で解決することで、快適な道路空間の確保や交通量の増加を目指す。