日本海水 坂出市内の讃岐工場内に新たなバイオマス発電所

四国
【香川】日本海水(東京都千代田区神田駿河台4ノ2ノ5)は、坂出市内の讃岐工場内=写真=に設置されている石炭火力発電所を讃岐バイオマス発電所に転換する。2026年度に着工し、28年度の運転開始を目指す。  元請けはタクマ(兵庫県尼崎市)が担当する。バイオマス発電所の設備概要は、発電出力が9400㌔㍗。燃焼方式は段階式ストーカ。建築廃材などの燃料使用量は年間14万㌧。投資額は約140億円(うち補助金は40億円)。  既存施設の規模については、ボイラー設備が鉄骨造10階建て。燃料倉庫が鉄骨造平屋約1万1500平方㍍。所在地は坂出市大屋富町1793ノ3。  同社は製塩業界で国内約40%のシェアを持っており、家庭用・業務用の塩を年間40万㌧生産している。海水を煮詰める工程で大量の電力と蒸気を使用するため、従来から大規模な発電設備を保有している。  讃岐工場では石炭火力発電所が稼働しており、年間約13万㌧の二酸化炭素を排出。国産塩の安定供給体制を維持しつつ、地球環境に配慮する生産体制が求められている。  讃岐バイオマス発電所では、国内の建築廃材や間伐材などの木質バイオマスを中心に一部海外材を活用して森林循環の利用を促進する。  日本海水では15年度以降、兵庫県赤穂市で2基のバイオマス発電所、福岡県苅田町で1基の木質バイオマス発電所が稼働している。35年度には国内製塩メーカーとしては初のカーボンニュートラルを実現し、二酸化炭素を排出しない製塩を可能にする計画だ。  今回の整備事業は、「省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業費補助金」に採択されている。