建築行政の手続き電子化 データの蓄積・民間活用も

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 国土交通省は、建築分野の行政手続き全体の電子化に取り組む。既にオンライン申請が可能な建築確認に加え、2026年春からは完了検査の申請もオンライン化。定期報告・各種認定を含め、建築行政に関係した手続きの一元化・効率化を進める。行政手続きに関する膨大な情報を蓄積するため、データベースを構築して民間企業・行政に利用してもらうことも検討する。  2026年度当初予算の概算要求に5億5500万円を盛り込み、新規に建築行政DX総合推進事業を創設する。紙書類による手続きが中心だった建築分野の行政手続きを一体的に電子化し、建築士や建築主事などの業務を効率化するとともに、建築主や施工者、管理者の負担を軽減する。  建築確認申請については、15年に一部でオンライン手続きを開始。コロナ禍での急拡大を経て、23年度には手続き全体に占める割合が50・8%となり、初めて半数を超えた。指定確認検査機関などで独自システムによる対応が進む一方、特定行政庁での対応の遅れが課題になっている。25年度からは共通的な窓口となる申請受付システムの提供を開始しており、さらなる活用拡大も期待されている。  中間・完了検査については、申請受付システムの拡充により、26年春から申請や検査合格証、検査済証の受領などをオンライン化する。今後は一団地認定や接道認定といった各種認定、定期報告もオンライン申請できるようにし、建築行政手続きをオンラインで完結できるようにする。  並行して、BIMを活用した建築確認の図面審査も26年春に始まる。ただし、当面は、BIMモデルを基にしたPDF形式の2次元図面で審査を行い、属性情報を含めた3次元データは参考情報として扱う。それでも、図面間の整合チェックが不要になるなど、審査期間の短縮につながると見込む。29年春からは標準化されたBIMデータを活用することで、審査期間のさらなる短縮を目指す。  確認申請・検査のための受付システムと、建築確認でのBIM活用に向けたプラットフォームは相互連携させる。  一連のシステム整備・拡充によって電子化された建築行政手続きのオンラインデータを蓄積するため、新たに建築情報データベースを構築する。AIを活用してデータを分析し、外部に提供することも検討する。  例えば、指定確認検査機関からの指摘事項を集約し、匿名化して設計者に提供することで、設計成果の改善につなげることなどが期待できるという。建築主や設計者、施工者といった手続き申請側、建築主事や指定確認検査機関といった審査者側の双方で業務を効率化する。  民間や行政のデータ提供・活用も視野に入れる。活用に当たっては、個人情報への配慮や、活用範囲の設定など、データの活用ルールも合わせて整備する。