中野サンプラザの土地・建物を暫定利用へ 壁面は広告スペース
東京
中野サンプラザ
再開発計画を白紙に戻した中野サンプラザの土地・建物を暫定利用する方向で中野区が検討に入ったことが27日、明らかになった。同日開かれた区議会建設委員会に報告した。南側の広場は10月から文化・芸術振興や若者チャレンジ支援を主たる目的として、また壁面・ガラス面などはアニメ事業者などへの広告スペースとして来春からの活用を想定するという。
区は、9月中に株式会社まちづくり中野21(MN21)から中野サンプラザの土地と建物の寄付を受けた後、普通財産として管理する予定。ただ、解体までにはまだ数年以上の期間を要するとみられる。これまで、区は老朽化や安全性などを理由に既存施設の活用には慎重な姿勢を崩さずにきた。しかし、今後の中野駅新北口駅前エリアのまちづくりに寄与することや、アニメによるプロモーションなどに役立ち、文化・芸術の裾野を広げたり子どもや若者のチャレンジを支援する取り組みにつながることを目的に、暫定利用する方向にかじを切った格好だ。現在、策定作業を進めている基本計画(2026~30年度)を具現化する取り組みであることや文化芸術、アニメなどのコンテンツ産業の充実につながる取り組みであることに配慮して具体的な方策を検討していく考え。
9月からは壁面・ガラス面や北側にある旧駐車場(地上部)の利活用に向けた検討の他、南側広場の事業者への貸付可能性、1階エントランスホールの一部暫定利用の可能性などの検証に入る。また、10月からは南側広場の暫定利用を開始する。ミュージシャンやダンサー、お笑いなどの練習やパフォーマンスの場としての利用(登録制・無料)を想定する。
2026年4月には壁面・ガラス面の利活用も開始する方針だ。