都 再生水導水管の2条化を検討

東京

野火止用水などへの導水施設の位置図

 東京都下水道局流域下水道本部は、多摩川上流水再生センターの再生水を野火止用水などに送る導水管の2条化を検討している。供用開始から30年以上が経過する内径500~700㍉、総延長約10・7㌔の導水管の維持管理を円滑化するのが狙い。関連業務を三水コンサルタント(大阪市北区)に委託し、2026年3月13日の履行期限で新しい管渠のルートや規模を考えてもらう。26年度は導水管の2条化に必要なポンプ設備の規模を調査する予定だ。  多摩川上流水再生センター(昭島市宮沢町3ノ15ノ1)は1日当たり26万4700立方㍍の汚水をA2O法(嫌気無酸素好気法)や嫌気・同時硝化脱窒処理法などにより高度処理。処理水の大半は多摩川に放流する他、一部は砂ろ過処理・オゾン処理で脱臭・脱色・殺菌し、野火止用水などの清流復活事業に活用している。  清流復活事業は、水量の減少により水質が悪化していた野火止用水と玉川上水、千川上水に再生水を送り、水量を増やして水質の改善や水辺空間の再生を図るもの。1984年8月に野火止用水、86年8月に玉川上水、89年3月に千川上水への送水を開始した。計画送水量は日量3万8200立方㍍。2023年度時点で日量2万4960立方㍍を送っている。  再生水を送る導水管は多摩川上流水再生センター内の昭島導水ポンプ所から小平監視所にある分配槽を経て、野火止放流口に至る総延長約10・7㌔。昭島導水ポンプ所~小平監視所間は内径700㍉、延長約8・7㌔、小平監視所~野火止放流口間は内径500㍉、延長約2㌔で、いずれも主な管種はダクタイル鋳鉄管となっている。  供用開始から30年以上がたち点検・調査や補修が必要なものの、再生水をポンプ圧送しているため管内の日常的な維持管理が難しい。  そこで導水管を2条化して維持管理の円滑化を図る。今回委託した業務で新しい管渠の敷設ルートや規模について複数の候補案を考えて計画の具体化につなげる。