汎用的な自動施工へ実証 直轄工事でのモデル施工も視野

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 自動施工の現場導入に向けて、複数の建機を協調させて一般土工事を行う公開実証実験が8月28日、土木研究所の建設DX実験フィールド(茨城県つくば市)で開かれた。地形や天候といった多種多様な条件に対応できるよう、施工計画に応じた複数建機の動作を実演=写真。建機メーカーが異なっても連携できる仕組みを構築し、実現場での自動施工の活用・普及につなげる。  公開実験は、政府の戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)により、筑波大学と土研、九州大学、フジタが実施した。実現場に対応した自動施工を実現し、土工事での普及を促す。SIPの成果を生かし、2030年度ごろまでに、直轄工事でのモデル施工を目指す。  実現場では、日々変わる天候などの条件に応じて現場監督が立てた施工計画を踏まえ、オペレーターが柔軟に対応する必要がある。研究開発責任者の永谷圭司筑波大学教授は、「こうしたやりとりをそのまま機械に置き換えるのは難しい」と指摘。現場条件に応じて作業前に膨大な準備が必要になるため、自動施工を導入するハードルになっているとした。  また、自動施工の実現に向けた技術開発の多くはゼネコンとシステム企業、建機メーカーがチームを作って進めている。メーカーごとに建機の制御方法が異なっていると、複数メーカーの建機が混在する実現場での自動施工の導入が難しくなるといった課題もあった。  研究グループは、現場監督が建機に伝える作業指示を共通のフォーマットでやりとりできるよう、造成工事や道路工事で一般的な土工のプロセスを対象に「情報流通インタフェース」を開発。土工の施工プロセスを掘削積み込みや運搬などの基本的な動作に分解し、組み合わせることで施工管理を行うとした。  現場監督は、このフォーマットに対応していれば建機制御のシステムベンダーによらずに自由に選び、施工計画を建機に伝えることができるようになる。各システム企業は、土研が開発した共通制御信号により、異なるメーカーの建機を制御する。永谷教授は、「(直轄の)Cクラスの現場にも使われるようにしたい」と述べた。  28日の公開実証実験では現場監督が作成した施工計画に基づき、情報流通インタフェースを介して複数建機を協調して稼働させた。作業内容は▽油圧ショベルによる土砂掘削▽クローラキャリアダンプへの積み込み▽指定位置への土砂の自動運搬と放土▽ブルドーザによる敷き均し―。ブルドーザは遠隔で、それ以外の作業は全て自動で行った。