川崎市 体育館空調整備へサウンディング 地元企業活用に関心
神奈川
川崎市教育委員会事務局は、学校体育館に空調設備を整備するため、整備手法を検討するサウンディング型市場調査を実施した。PFIなどによる一括方式では市内業者の参画が難しくなるとの懸念を示す事業者がいた一方、地元企業の参画を条件付ける、対象校を分割するなどの工夫で市内業者の活用が可能だとする意見もあった。
サウンディング調査は6月25日~7月11日に実施。空調メーカー、施工業者、エネルギー事業者などの21者が参加した。従来方式の他、PFIなどによる一括発注、従来方式とPFIなどを組み合わせた手法などについて提案を募った。
提案内容を見ると、従来手法はPFI方式に比べて地元企業の資金面の負担が軽減され、コストが抑制できるが、全棟整備までに時間がかかる、設計仕様や工期、機器が学校ごとに統一されない可能性があるなどの指摘があった。
PFIなどによる一括発注方式では、全体工期の短縮やコスト削減が可能な反面、事業着手までに時間を要する、地元企業の参画が難しいとする意見があがった。
また、整備対象の体育館が155棟と多いことから分割してPFIを実施する案や、コンソーシアムの組成条件に一定の地元企業の参画を必須にする、下請け業者まで市内業者になっているかを審査するなどのアイデアがあった。地元企業の受注可能性について、一定の関心が集まったとみられる。
従来手法とPFI方式の組み合わせなどに関しては、早期整備が必要な学校や面積が大きな学校はPFI事業から除外して従来方式で整備するといった案、設計・施工一括発注方式で入札参加資格を市内業者に限定するなどの案があった。
整備する空調機器は、対流式(天吊型、壁掛型、床置型)、対流式と輻射式、置換空調(外気導入型)など、エネルギー源についてはEHPとGHP(都市ガスまたはLPガス)の両方で提案があった。体育館が避難所として使われることや既存の電気・ガス容量などを考慮し、導入方式を総合的に判断する必要があるとの指摘もあった。
その他、物価高騰への対応や年間を通した施工の実現を求める声があった。