小金井市 新庁舎整備 工事費は190億円と試算
東京
小金井市は、新庁舎・(仮称)新福祉会館建設工事の2度の入札中止を受けて、工事費を増額する方針だ。市が鉄骨造や鉄筋コンクリート造などの構造を区分せずに他自治体の落札状況を調査した結果、床面積1平方㍍当たりの単価は現在90万~100万円ほどかかっていることが分かった。この単価を適用した場合の工事費は180億~190億円となる。前回の入札の単価は約70万円で、60億~70億円の増額となる見込みだ。
新庁舎を整備するには工事費を増額する必要があり、増額に向けた再積算を実施する。再積算に伴う設計を行うため、今後の予算で委託料を計上したい考え。再公告の時期は未定。当初、2029年1月のオープンを目指していたが、着工時期の延期で時期をずれる。
2回目の入札の予定価格は117億8813万円で、建築と設備を一括して発注していた。企画政策課の担当者は「現在の事業費では市場価格との乖離(かいり)が大きく、再公告に向けて事業費を見直す必要がある。技術者不足も懸念されるため公告時期を考えたい」と話した。
施設規模は新庁舎が鉄骨造地下1階地上6階建て、新福祉会館が鉄骨造3階建て、総延べ床面積は1万8896平方㍍。建設地は中町3ノ19ノ16の蛇の目ミシン工場跡地。実施設計、施工者選考支援業務は佐藤総合計画(墨田区)が担当した。
1回目の入札は1月に公告し、入札参加者不在で中止になった。ヒアリングで、予定価格が折り合わなかったことや、設備会社を確保できなかったことが挙げられたため、予定価格を2億5587万円増額して、4月に2度目の再公告を行った。2回目の中止について全国的に再開発事業やデータセンター、半導体工場などの民間工事の需要が高く、公共工事を希望する企業が少ないといった理由が挙げられる。