道路建設業「正当に評価される環境に」

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 「道路建設業が社会から正当に評価される環境をつくりたい」。猛暑日が続くこの夏も、高温の作業環境の中で、会員企業は舗装工事に臨んでいる。「社会に絶対に欠かすことのできない仕事であることを主張し続けたい」と、道路建設業の社会的地位の向上に力を注ぐ。  昨年7月に退官した国土交通省では、大臣官房技術調査課長などとして、受注者側の職場環境の改善にも取り組んだ。「すぐに従来の仕組みを変えることはできないが、実態を伝え続けることが大事。道路建設業を取り巻く環境を少しでも改善させたい」と考えている。  舗装工事の事業量減少に歯止めが掛からず、アスファルト合材の製造量も減少の一途をたどっている。ただ、「道路舗装が必ずしもいい状態で管理されてるわけではない」と感じている。全国の会員企業からもそうした声が寄せられており、国交省の地方整備局との意見交換会では、舗装のメンテナンスサイクルを構築するよう訴えている。  担い手を確保するためにも、夏季の働き方を見直す必要性を感じている。「年末、年度末の路上工事抑制と同じ発想で、気温が上昇する8月の工事を抑制することも必要ではないか」と提案する。  道建協では、今年5月に『中期ビジョン2025』を発表した。会員企業の優れた舗装技術を生かし、「従来の道路建設業の役割に加え、中期ビジョンの柱である『新しい事業領域への拡大』にもチャレンジしたい」とも強調する。  略歴 森戸義貴氏(もりと・よしたか)。大阪大学大学院工学研究科土木工学専攻修了。1991年建設省入省。国土交通省大臣官房技術調査課長、中国地方整備局長、九州地方整備局長などを歴任。5月から現職。京都府出身。58歳。