都 隅田川スーパー堤防整備 埋設物存在地区での整備検討
東京
隅田川で のスーパー堤防整備の例
東京都建設局は隅田川のスーパー堤防整備を河川直下に埋設物がある地区で実現するための検討を始める。JR中央・総武緩行線橋梁付近をモデルに構造型式を考えるとともに、他の対象河川を含め同様の構造形式が適用できる地区を選ぶ。これに伴う業務の希望制指名競争入札を9月1日に公示。土木・水系関係調査A~Cの競争入札参加有資格者から9月8日まで希望申請を受け付け、同月25日に開札して委託先を決める予定だ。2026年2月27日までに成果を得て事業化の判断に役立てる。
都は高潮や大地震による水害から東部低地帯を守るため、1985年にスーパー堤防の整備を始めた。対象は隅田川、中川、旧江戸川、新中川、綾瀬川の5河川。盛土の範囲は最大50㍍で、背後地の再開発などと一体的に整備する。このうち隅田川には延長約47㌔の防潮堤があり、24年度時点で約3割に当たる約16㌔をスーパー堤防などとして整備している。
隅田川のスーパー堤防整備を河川直下に埋設物のある地区で実現するための検討は、JR中央・総武緩行線の上流部左岸をモデルに進める。両国駅に近く、総武快速線の総武トンネルが通過している場所だ。
今回の業務を通じ、スーパー堤防の荷重による埋設物への影響を考慮しながら3案程度の構造形式を比較。最適案を絞り込んで概略設計やパースの作成を行う。構造形式は軽量盛土などの適当な材料に置き換えたり、影響範囲のみを堤防天端高に合わせたデッキにしたりすることなどを想定している。
また、隅田川と他の4河川でモデル地区のように河川直下に埋設物がある地区を整理。その中からモデル地区で絞り込んだ構造形式の最適案が適用できる地区を選び、地区ごとにスーパー堤防の延長と地下埋設物の影響範囲を取りまとめる。