24年度の法人企業統計 建設業の経常利益率5.4% 過去最高を記録

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 財務省が1日に発表した法人企業統計によると、2024年度の建設業の経常利益は前年度比11・2%増の8兆3586億円となり、前年度の減少から増加に転じた。売上高経常利益率は5・4%と0・4ポイント上昇した。経常利益額、売上高経常利益率のいずれも比較可能な1960年度以降で過去最高を記録した。  法人企業統計は、営利法人の企業活動の実態を把握する標本調査として実施している。年次別調査では、各年度の確定決算の計数を調査する。  建設業の売上高経常利益率は5・4%で過去最高となったが、全産業平均の6・8%と比べると1・4ポイント低く、製造業の平均8・6%と比較すると2・2ポイントの差がある。非製造業で売上高経常利益率が最も高かったのは不動産業の13・6%で、建設業は卸売業・小売業の3・7%に次いで低い水準となっている。  建設業の資本金1億円未満に限って見ると、売上高経常利益率は4・4%となり、建設業の全階層の平均よりも1・0ポイント低い。  建設業の24年度の売上高は2・2%増の154兆2685億円だった。資材価格の高騰や労務費の上昇を受け、21年度から4年連続で増加した。  一方、財務省が同日に発表した25年4~6月期の法人企業統計では、経常利益は前年同期比8・5%減の1兆6607億円と3期ぶりに減少。売上高経常利益率は6・0%となり、こちらも前年同期と比べ0・4ポイント低下している。