県 CCUS活用で工事成績評定の加点を検討

神奈川
 神奈川県は、建設キャリアアップシステム(CCUS)の活用による工事成績評定への加点を検討している。2022年度から県内のCCUS活用の傾向を把握することを目的にモデル工事を実施。加点の基準などを検討するためのデータを収集した。本年度は新たなモデル工事は行わず、3カ年で蓄積したデータの分析に充てる。運用を開始する時期は未定としている。  県のCCUS活用モデル工事は、各土木事務所が比較的工期が長い工事の中から数件ずつ対象を選定し、受注者の合意を得て実施した。実施件数は22年度が4件、23年度が7件。工事を継続している案件があるため24年度の件数は確定していないが、受注者に依頼した工事が6件あった。発注金額は5000万円~3億円の範囲内だった。  国のCCUS活用モデル工事は、平均登録事業者率と登録技能者率、就業履歴蓄積率に最低基準と目標基準を設定し、達成状況に応じて工事成績評定に加点することとしている。県のモデル工事ではこれら三つの平均値を提出してもらい、国の基準を用いた場合に受注者を適切に評価できるか検証する。  本年度は新たなモデル工事を実施せず、3カ年のデータを分析する。来年度以降のスケジュールは未定だが、県内のCCUS活用の傾向を踏まえて加点の運用に向けた検討を進める。  神奈川県内では、横浜市や川崎市、平塚市などがCCUSの活用を工事成績評定に加点している。ただ、平均登録事業者率などの基準は設けておらず、管理者IDの登録と現場へのカードリーダーの設置、技能者の就業履歴の提出のみ求めている。