住宅市街地の水害対策 自治体支援へ事業新設

四国
 国土交通省は、水害リスクの高い住宅市街地を対象とした水害対策について、地方自治体を総合的に支援する事業を新設する。既成市街地の抱える課題に対応した施設整備や改修、計画を支援する住宅市街地総合整備事業に「水害対策型」を設け、社会資本整備総合交付金を活用して面的に対策を講じる。2026年度当初予算の概算要求に盛り込んだ。  事業の対象は、水害による被災の見込まれる住宅市街地。3大都市圏をはじめ、低平地に所在する住宅地などが想定される。支援対象の設定に当たっては、想定浸水深など一定の要件を設ける方向で検討。エリア単位で実施する面的な対策を支援する。  具体的な水害対策としては、一戸建て住宅やマンションの敷地のかさ上げ、止水板の設置、避難所整備、物資倉庫の設置など多様なメニューを念頭に置く。自治体が作成した計画に基づいて実施する対策を支援する。  気候変動による豪雨災害の頻発・激甚化を受けて打ち出した。これまでも土木分野では河川整備などの対策が進んできたが、近年は都市部での浸水・氾濫被害も拡大。19年に発生した東日本台風では、津波以外の水害による被害額が過去最大を更新するなど影響も甚大になった。  水害リスクの高い市街地の対策としてはこの他、災害危険区域等建築物防災改修事業を拡充する。建築基準法に基づく災害危険区域などとして指定しやすい環境整備や、既存不適格建築物の防災改修に対する支援を強化する。