地すべり対策への補助要件を拡大 地すべり斜面も複数年で支援

四国
 国土交通省は、地滑り被害が発生した斜面への対策を支援する「特定緊急地すべり対策事業」を2026年度に見直す。これまでは、地すべりが発生した箇所に隣接する上部斜面の対策工事のみを対象としていたが、この条件を廃止し、地すべりが発生した斜面全体の対策工事を支援する。  2026年度予算の概算要求で、新規事項として盛り込んだ。地すべり対策の国交省の補助制度は、当該年度内に完了する工事を補助する「災害関連緊急地すべり対策事業」(災関)と、おおむね3年以内に完了する工事を補助する「特定緊急地すべり対策事業」(特緊)が設けられている。災関は地すべりが発生した斜面、特緊は地すべりが発生した斜面の上部への対策を対象としている。  災関は、単年度の工事を対象としているため、大規模な地すべりや、より高い安全性の確保が必要な重要施設付近への対策が、十分に実施できないケースがあった。そこで、特緊の対象を拡大し、大規模な地すべりが発生した斜面への対策にも補助できるようにする。  能登半島地震の被害状況を踏まえ、対象範囲拡大を検討した。能登半島地震では多くの箇所で地すべりが発生した他、能登半島を一周する重要な道路である国道249号の途絶や河道閉塞などの甚大な被害が生じた。補助事業の対象範囲を広げることで、こうした被害に対する早期復旧を促す。