発注力低下(4)技術職員最多の東京都 採用と「若手の定着」に注力

中央
 東京都の技術職員は、土木技師4303人、建築技師800人(2024年4月1日時点)。都道府県の中で最多の技術職員を抱える都も、将来を見据えた人員確保策に取り組んでいる。特に、転職市場が活発な東京では、採用だけでなく、若手技術職員の「定着」にも力を入れる必要がある。  若手技術職員の離職を防止するためには、何が必要なのだろうか―。都は24年度に若手技術職員のニーズを把握するためのアンケート調査を初めて実施した。対象は19~35歳の土木、建築、機械、電気、ICT、専門職に従事する職員で、全体の42%に当たる1635人が回答した。  回答した若手技術職員が入都後に感じたギャップで最も多かったのは「残業時間の長さ」。最も不満に思ったことが「業務量の多さ」だった=グラフ参照。都の担当者は、「背景に何があるか、今後さらに調査する」としながらも、「マンパワーが不足していたり、技術の継承が昔に比べて難しくなっていたりするのではないか」とみている。  アンケートは25年度も継続する。対象も課長代理級まで拡大し、「若手職員への指導方法」など、若手の置かれた環境や意識をより深く把握するための質問を追加する。多角的な調査により、入都後のギャップを減らすとともに、若手技術職員のキャリア形成を支援する施策につなげていく方針だ。  一方で、都の技術職員の確保だけでは、都内のインフラを持続的に整備・維持管理することはできない。都の技術職員が全職員の約20%を占めているのに対し、23区は9%、市町村は8%にとどまる。技術職員数が1桁台の市町村もある。 都と区市町村の役割は異なり、この数字だけで技術職員が「不足している」とは言い切れない。しかし、人口1300万人を抱える東京では、インフラを整備・維持するための業務量も突出して多い。必要な業務量に対し、人員が不足しているのか。都は引き続きヒアリングなどを通じて市区町村の課題を把握し、連携の在り方を模索していく考えだ。  また、25年度には、都と市区町村の技術職員を対象とした実質給付型の奨学金返還支援制度も始まった。こうした支援を足がかりに、民間企業との処遇の差を縮めることも考えている。