取引環境改善コース新設 荷主の取り組みも支援

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 厚生労働省は、荷主となる中小企業と運送事業者で構成する協議体に対して、運送事業者の荷待ち時間の短縮化と荷役作業の効率化を支援する。働き方改革推進支援助成金に「取引環境改善コース(仮称)」を新設。建材などを運搬する運送事業者と一体で荷待ち時間の短縮に取り組む建設業も、支援対象になる。  働き方改革推進支援助成金は、生産性向上や労働時間の削減に取り組む中小企業を支援するもので、建設業や運送業など、特に時間外労働が長い業種に対して手厚く支援している。  取引環境改善コースでは、長時間労働が問題となっているドライバーの労働災害を削減するため、運送事業者だけではなく、荷主にも対応を求める。  荷主は、利用している運送事業者と協議体をつくり、荷待ち時間を短縮する予約システムや、荷役作業の効率化につながる設備を整備する必要がある。詳細な要件は今後検討し、年度末までに公表する。助成率は4分の3で、助成上限額は100万円となる。  また、働き方企画推進支援助成金の一つで、雇用環境整備に関する項目の達成状況に応じて経費の一部を助成する業種別課題対応コースも変更する。成果目標を設定する際の項目を、5項目から6項目に増やす。  追加する項目は「所定外労働時間の削減」。三六協定で決める月単位の時間外労働や休日労働時間数を削減するという項目に加えて、所定外労働時間の削減を求める。補助率は4分の3で、助成上限額は100万円。  さらに、助成金申請時に活用できる賃上げ加算制度についても変更。従業員が10人未満の企業が活用する場合の加算額を2・5倍にし、小規模な企業の労働環境改善を促進する。