省人化3割へ「道筋示す」 国交省・小島官房審議官

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 国土交通省大臣官房審議官(技術、水管理・国土保全局)に就任した小島優氏が建設専門紙のインタビューに応じ、i-Construction2・0で掲げた2040年度までに建設現場を3割省人化するとの目標を達成するため、「中期、短期で何を実行するのかという道筋を示す」と抱負を述べた。建設企業が投資判断を行いやすく、採用計画を実行しやすいよう、業界全体の魅力を高めていく。  建設業界の担い手確保については、「長時間労働によらなくても満足な給料が得られることが大事だ」と述べ、一人当たりの生産性を高める必要性を強調。i-Con2・0の柱の一つである「施工のオートメーション化」の推進へ、人が働くことを前提とした建設現場の諸制度の見直しも必要になると説いた。  データ連携の推進に当たっては「書類主義からの脱却」を掲げた。検査をはじめ工事関係書類の業務負担の大きさが指摘される中、「なるべくデジタルの力を借りて仕事を楽にしていく」とした。  施工管理のオートメーション化は、リモートでの施工管理や現場のオフサイト化が要点となる。急速な進展は難しいが、「少しずつ成功体験を積み重ねることが大事だ」と述べた。  生成AIの活用は「メンテナンス分野と非常に相性が良い」と見る。インフラの点検データの蓄積を読み込ませ、老朽化の判定や対策の検討に生かす。  デジタルをはじめ多様な人材を呼び込むため、先進的な現場の情報発信が重要になるとした。「建設業界は旧態依然に見られてしまうことも多いが、フロンティアもある」と述べ、最先端の技術に触れられる魅力を積極的にアピールする考えだ。 【略歴】小島優(こじま まさる) 東北大学工学部卒。92年建設省採用。国交省近畿地方整備局河川部長、近畿地方整備局企画部長、水管理・国土保全局河川環境課長を経て7月から現職。57歳、愛知県出身。