路面下空洞の情報共有 デジタル化へ基盤構築

四国
 国土交通省は、道路占用物や路面下空洞など地下空間のデータを統合し、道路管理者と占用者が情報を共有する仕組みを構築する。道路管理者と占用事業がそれぞれ管理している情報を共有し、地下インフラの適切な維持管理につなげる。データ共有に向けた検討のために、2026年度当初予算への概算要求に関連経費を盛り込んだ。  埼玉県八潮市で発生した道路陥没事故を受けて国交省が立ち上げた有識者委員会は、国民生活の安全を確保するため、道路管理者と占用事業者が連携して地下空間の利用状況を共有すべきと提言。地下空間情報のデジタル管理体制の確立も併せて求められており、今回の情報共有体制の構築はこの実現に向けたもの。  仕組みづくりに当たっては、業界団体などを通じて占用事業者の意見を聞き、利用しやすいシステムを構築する考え。  道路陥没を防ぐ路面下空洞調査の効率化も進める。過去に陥没が発生した履歴や、陥没の発生リスクを把握した上で、調査を効率化する。  陥没リスクについて、国交省は、24年度に実施した路面下空洞調査の結果を明らかにしている。直轄国道の延長2万0810㌔のうちの3079㌔を調査し、4739カ所で空洞を確認した。空洞を確認した4739カ所のうち、路面陥没の可能性が高い箇所は119カ所(2・5%)、中程度のリスクがあるのは2076カ所(43・8%)、可能性が低いのは2254カ所(53・7%)と判断した。  各地下占用物の修繕状況も調査した。ガス管路は約5・5万㌔を調査し、2928カ所で不具合を確認、24年度内に96・1%に当たる2815カ所の修繕が完了した。水道管路は約35万㌔を調査し、不具合を確認した1万4113カ所のうち88・7%に当たる1万2521カ所への措置を実施した。  これらの調査結果は、八潮市の道路陥没事故を受けて全都道府県に設置された地下占用物連絡会議を通じ、道路管理者と占用事業者が情報を共有している。