新規採択時評価1件を含む県事業の対応方針を了承 愛媛県公共事業評価委

四国

県水産会館で開かれた公共事業評価委員会

 愛媛県公共事業評価委員会(委員長・小林範之愛媛大学教授)は、松山市内で2025年度会合を開き、いずれも県事業の再評価10件、再々評価3件、新規採択時評価1件の中から4件を抽出して審議した結果、事業者から出された対応方針案を全て妥当とした。また、社会資本総合整備計画と防災・安全交付金の計画4件の事後評価も審議し、いずれも了承した。  抽出した4件の事業は、▽水利施設等保全高度化事業[水利施設整備事業(道前釜之口上地区)](再評価)▽道路改築事業(国道197号大洲西道路)(再々評価)▽道路改築事業(国道197号夜昼道路)(再々評価)▽大規模特定河川事業(内平川)(新規採択時評価)。委員会では、各事業の必要性や進捗状況、投資効果(費用便益比)を確認し、今後の対応方針などを協議した。  再評価の水利施設等保全高度化事業[水利施設整備事業(道前釜之口上地区)]では、西条市で整備後70年余りが経過した老朽化農業水利施設などを更新・整備する。事業期間は16~28年度。事業費が11億5300万円で、当初から4億円増加している。増額の主な理由は労務費・資材費の単価上昇(1億6200万円)と工事費の増加(2億4100万円)を挙げた。  再々評価の国道197号の大洲西道路(3・3㌔)と夜昼道路(4・2㌔)の各地域地域高規格道路については、大洲・八幡浜自動車道として一括で審議。大洲西道路(大洲市)は17年度に、夜昼道路(大洲市、八幡浜市)は13年度にそれぞれ事業化された。両事業とも事業費が増加しており、夜昼道路は82億円増の272億円、大洲西道路は29億円増の159億円と膨らんでいる。増額の主な理由に物価上昇と重要物流道路指定に伴う設計変更を挙げた。  新規採択時評価の大規模特定河川事業(内平川)では、宇和島市の中心を流れる同河川の下流370㍍区間を対象に浸水被害の軽減を図る。26年度から35年度までに事業費29億8300万円を投じる計画。