愛知県教委 第五次教育振興基本計画(仮) 中間案

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愛知県教育委員会は、教育基本法に基づく県の教育振興基本計画として策定を進めている「あいちの教育ビジョン2030―第五次愛知県教育振興基本計画―(仮称)」(以下、第五次基本計画)の中間とりまとめ案を作成した。計画期間は2026~30年度までの5年間。ハード面では、学校施設・設備等教育環境の整備などを盛り込んだ。25年度内の策定を目標としており、パブリックコメントに基づき10月7日まで意見を募集している。 第五次基本計画は、現行の「あいちの教育ビジョン2025―第四次愛知県教育振興基本計画―」を継承しつつ、教育を取り巻く新たな課題や、人口減少、少子高齢化の本格化などの社会情勢の変化に柔軟に対応し、県の教育を推進していくための指針となるような計画とした。 基本的な方針として、「持続可能な社会の創り手として自立し、新たな価値を生み出していく力を育くむ」など、多様性の尊重、生涯にわたって学べる環境づくり、魅力的な学びの環境づくり、といった4項目を挙げ、18項目の基本施策を示した。 主な内容を見ると、基本施策の「県立高等学校・中学校の魅力化・特色化の推進」のうち、「県立高等学校の適正配置」では、各地域の中学校卒業見込者数の減少の程度、中学生の進路選択の多様化、国立・市立・私立を含む高等学校の設置状況等を総合的に勘案し、再編・統合を検討。山間部、中山間部などで、生徒が通学可能な高等学校がなくならないように、魅力ある学校づくりを協働して進める―などとしている。 基本施策「生涯学習の推進に向けた支援体制の充実」のうち、「伝統文化・文化財の魅力発信」では、東海地方最大級の古墳「断夫山古墳の保存活用計画」を策定し、調査や整備等を推進。基本施策「安心安全な学校づくりの推進」では、県立学校の施設が、昭和40年代から50年代に建設された建物の割合が高くなっている現状に対し、「 県立学校施設長寿命化計画」に基づく計画的な改修・改築を実施する。 また、近年の猛暑に対応するため、県立高校の体育館・武道場に空調設備を設置するとともに、県立高校特別教室などへの空調設備の整備を検討する。 生活様式の変化への対応や衛生環境改善に向けては、長寿命化改修に合わせ、整備済みの管理棟・普通教室棟以外のトイレの洋式化・乾式化。自然災害等に対する災害安全等の観点では、県立学校における天井材など、非構造部材の耐震化を進め、災害時における避難場所としての役割を強化する。 老朽化が著しい産業教育設備の計画的な更新では、技術革新により実習内容の変更が必要な産業教育設備を計画的に更新。また、市町村立学校における施設整備について、国庫補助率や補助単価の引き上げなど、財政措置の充実を図るよう国に要望する。 この他、私立の幼稚園、小学校、中学校、中等教育学校、高等学校における非構造部材の耐震化、老朽化に伴う改修や危険建物の改築を支援するとしている。