堤啓氏(つつみ・けい=千葉国道事務所長)

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電子版用 堤啓氏(つつみ・けい=千葉国道事務所長)

 国土交通省千葉国道事務所の堤啓所長が建設専門紙と会見し、「道路だけでなく、地域の思いや期待もつないでいくことが重要」と強調した。また、「将来に残るものを造っていくことに責任を感じる」と話すとともに、首都圏中央連絡自動車道が2026年度に全区間開通することを大きな節目と位置付け、「しっかりと形にしていきたい」と力を込めた。  地域との連携を重視する背景には、高崎河川国道事務所長として群馬県前橋市の交差点改良事業に携わった経験がある。地域関係者から道路ネットワークの改善に向けた多様な提案を受け、「道路整備が地域の活力を引き出すきっかけになる」実感を得たという。そのため「道路整備は造るだけではなく、地域の思いも形にしていく」ものだと捉えている。  また、主要事業として整備に向けた議論を進めている新湾岸道路や千葉北西連絡道路にも言及。「事業を円滑に進め、地域が実現したい具体的なイメージを拾っていきたい」と話した。  事業推進に当たり人手不足は「行政と建設会社の共通の課題」と危機感を示すとともに、省人化技術の導入には「建設業者と協力して進めていく必要がある」と指摘。そのために「風通しの良い雰囲気づくりに努め、良いアイデアが出やすい環境をつくっていく」方針だ。さらに「受け身ではなく前向きに仕事に当たることでチャレンジする精神が生まれ、自由な発想が生まれる」と考えを述べた。  後悔をしたくないという思いから、業務には「一生懸命」に当たることを意識している。  【略歴】2002年3月九州大学大学院工学府海洋システム工学専攻修了、同年4月国土交通省入省。道路局企画課企画専門官、高崎河川国道事務所長、内閣官房国土強靱化推進室企画官などを経て7月から現職。47歳。熊本県出身。