流入人口増に向け交通基盤整備を推進 込山正秀小山町長インタビュー

静岡

込山正秀町長

 2023年4月に小山町長に再任した込山正秀氏。選挙公約として91のマニフェストを掲げ、温水プールや工業団地の整備など「おやま、再稼働」に向けた施策に取り組んでいる。今後の町政運営の方針や基盤事業の展望・方向性などについて込山町長に聞いた。 流入人口増加のため、交通基盤の整備を推進   ―コロナ禍が収束し、消費拡大とインバウンド客が増加している  富士山須走口への外国人の流入人口増加は顕著で、宿泊客の9割が外国からの観光客だった。富士山に訪れる方々が小山町内でも観光を楽しんでいただけるよう、誓いの丘公園への展望台設置を計画している。また、新東名小山パーキングエリアの近隣では、温浴施設とホテルの整備が始まっている。周辺地域を訪れる人にとって小山町に行きたいと思われるまちづくりをしていきたい。  また観光周遊促進のためには、交通環境の整備が欠かせない。昨年度、「小山・山中湖・忍野道路建設促進期成同盟会」と「富士・足柄道路トンネル建設促進期成同盟会」を設立し、広域的な道路整備に向けて積極的に取り組んでいる。観光客増加の支援のみならず、富士山噴火や南海トラフ地震などが懸念される中、避難経路を確保する広域災害復旧支援道路の整備が必須であると考えている。現在は事務レベルで検討会を進めており、まずは構想図などを策定し実現可能性を模索していく。 ―新庁舎の建設に向けて適地となる候補地選定の状況は  現在の庁舎は町の浸水想定区域となっていることや、完成から40年経過しており老朽化が進んでいることから、新庁舎の建設に向けて町内で候補地を探している。副町長を委員長とした庁内検討会を立ち上げ、まずは町にとって最適な本庁舎の建設候補地区を選定する。年度内には議会に報告をしたいと考えている。 ―定住者を増やす上で、子育て支援の充実と質の高い教育の実現が欠かせない  これまで、給食費の無償化や高校までの医療費無償化など、保護者の負担を軽減する施策を打ち出した他、温水プールの整備など、学びやすい環境の整備には投資を惜しまず取り組んできた。町内の小中学校について一貫校化など、質の高い教育を実現するために最適な手法を検討している。また、県の方針で示された、四つの高校の統合案について、まちとしては特色のある高校を期待している。高校から地域の企業に就職する学生もいるため、町内に残る高校については、観光や英語人材に特化した学科の設置を目指して、要望をしている。  町の課題としては、企業立地は進んでいるものの移住定住者の増加のためには町内に分譲地や住居が十分にないことが挙げられる。区画整理事業や宅地造成事業により住宅地を創出し定住人口増加に寄与できるようにしていきたい。 ―地元建設業者をはじめ町の行政に携わる企業の存在は  日頃から地域の経済や雇用を下支えしていただいており、感謝している。町域の広い小山町では、地元の建設業者なくしては町の安心・安全なまちづくりは実現できない。今後も町の発展にご協力いただきたい。