課長席㉝大久保慎也氏(おおくぼ・しんや=足立区中央図書館長、3分野連携担当課長兼務)

東京

大久保慎也氏(おおくぼ・しんや=足立区中央図書館長、3分野連携担当課長兼務)

 周辺の公共施設や道路、公園を一体的に整備する巨大プロジェクトが動き出す。その骨格となるのが「梅田八丁目複合施設」の建設だ。2028年度の開設に向けて設計が進んでおり、施設内には図書館、子育てサロン、NPO活動支援センターを設置する。公共施設を1カ所に集約し、地域住民の利便性の向上を図ることを西新井・梅島エリアデザイン計画の優先事業として位置付けている。複合施設、公園、道路としてそれぞれが機能することで地域のランドマークとなる場所を目指す。  梅田八丁目複合施設は鉄筋コンクリート造2階建て延べ約5400平方㍍規模を想定。隣接する梅田亀田公園と亀田トレイン公園を改修し、既存道路を南北線緑道としてキッチンカーイベントなどが開催できる空間にする。整備に当たっては、「複合施設の壁や間仕切りを減らし、床面積を大きくとることでフロア全体が屋外と連続して使用できるようにした。公園と連携したイベントを開催することで人や活動をつないでいきたい」と意気込む。  これまでワークショップや町会への説明会を実施しており、その中で、「互いに友達と教え合いながら一緒に勉強できるスペースが欲しいという中高生からの要望に応え、区立図書館では初の試みとなるグループ学習が可能なにぎやかエリアを2階に設けた」と利用が多い学生の意見を反映した。また、利用者が集中して過ごせるサイレントルームも設置することで、静けさとにぎやかさが共存できる空間にする。  さらに、トレイン公園には3つの広場『エントランス広場』、『デッキ広場』、『草地広場』を連続して配置する。イベントの開催や居心地良く過ごすことができる施設の顔となるエリアとして整備していく。  今年度に設計が完了し、工事発注に向け準備が本格的に動き出す。建設費高騰による入札不調を防ぐために「発注時期を調整、多くの事業者が参加しやすい対応を進めていく」と説明した。  趣味は図書館巡り。中央図書館の館長ということもあり、これまで23区の中央図書館はほぼ行っている。プライベートでもおにクル(大阪府)や富山市立図書館(富山県)などを訪れた。建物や蔵書から地域風土を知ることで、地域が持つユニークな特性を学ぶことができることが魅力の一つ。(東京支局=大城頌)  【略歴】2003年足立区役所採用。18年文化・読書・スポーツ計画課長、20年生涯学習支援課長を経て、21年6月から中央図書館長(3分野連携担当課長兼務)。足立区出身。