三井住友銀行 横浜支店を建て替え 12月から解体

神奈川

建て替え後のイメージ(横浜市ホームページより)。低層部に現横浜支店を再現する

 【横浜】三井住友銀行(東京都千代田区丸の内1ノ3ノ2)は、横浜市中区にある横浜支店の現地建て替えを12月に開始する。既存石材の一部を活用し現横浜支店を低層部に復元した上で、高さ42㍍のオフィスビルに再生する。施工は鹿島横浜支店(横浜市西区)が担当し、12月~2027年2月に解体工事、27年2月~30年9月に本体工事を実施する。  所在地は横浜市中区本町4ノ20の敷地1754平方㍍。現横浜支店はトローブリッジ・アンド・リヴィングストン事務所の設計、清水組(現・清水建設)の施工で1931年に完成した。  本町1丁目交差点の角地にあり、接道する本町通り、ベイスターズ通りの両面にファサードを備える。かつては「ハマのウォール街」と呼ばれた本町通り周辺で唯一、現役で銀行業務を行う。古典主義様式による銀行建築の典型として、8月には横浜市の横浜市認定歴史的建造物に指定された。  建て替え後の規模は鉄骨一部鉄骨鉄筋コンクリート造地下1階地上8階建て延べ1万0200平方㍍、高さ42㍍。地上1~2階に銀行店舗、3~8階にオフィスを配置する。地下1階には35台分の機械式駐車場を整備。高層部をセットバックすることで生まれるスペースなどを活用し、現横浜支店の外観や銀行ロビーの内装を復元する。  外壁は新たに稲田石を使って復元。円柱やペディメント、基壇、帯装飾については既存石材を取り外して再利用する。  内部については、地上1~2階の高さ約10㍍、幅約4㍍の空間に再現し、銀行の営業時間には見学者のために開放する方針だ。銀行の接客エリアとの境界にはガラススクリーンを設置する。  内壁下部を中心に既存の壁石材を再利用。装飾天井や床、窓の意匠についても新規部材を用いて可能な限り再現する。  高層部の壁面は、低層部の復元部分を引き立てるために、装飾を抑えたカーテンウォールとする。また、さまざまな角度のフィンを設置し、さざ波のような表情を生む。  解体する現横浜支店の規模は鉄骨鉄筋コンクリート一部鉄骨造地下1階地上2階建て延べ2560平方㍍。  設計は日建設計(東京都千代田区)が担当。